ソフトバンク高橋純待望プロ初星 ドラ1右腕4年目の開花

西日本スポーツ

 ◆日本ハム4-5ソフトバンク(29日・札幌ドーム)

 プロ4年目の高橋純平投手(22)がプロ初勝利を手にした。2016年ドラフト1位右腕は7回途中から登板し、1回2/3を2安打無失点。打線が9回2死から逆転に成功し、勝ち星をつかんだ。両リーグ40勝一番乗りで、今季初めて貯金を2桁の「10」とし、2位楽天とのゲーム差も1・5に拡大。ダイエー、南海時代も含めた球団通算5300勝目という節目の白星でもあった。

 ついに報われた。1点ビハインドの8回、イニングをまたいでマウンドに立った高橋純は2死二、三塁のピンチを迎えた。「もう一つギアを上げた。投げたいタイミングでフォークのサインが出た」。中島にフルカウントから投げたフォークで空振り三振を奪った22歳はグラブをたたいた。

■6戦連続無失点

 力投は実る。直後の9回に2死から上林が逆転2ラン。「今日はまったく(初勝利を)予想しなかった。先輩方に感謝です」。6試合連続無失点で、防御率は0・93。ようやく手にしたウイニングボールを大事そうに握りしめた。

 県岐阜商高3年春の甲子園の活躍で一躍全国区になり、この試合の対戦相手だった日本ハム、中日と3球団競合の末、2016年にホークスに入団した。ただ、期待の大きさ故に苦しんだ。昨季までの3年間で1軍登板は17年の1試合。昨春のキャンプでは初日にフォームにメスが入れられるなど試行錯誤が続いた。

■3年間で1登板

 昨年11月。ウインターリーグ参加のため、カリブ海に浮かぶプエルトリコを訪れた。数ある球場の中には、吹けば飛んでしまいそうなブルペンもあった。思い出したのは2年前。プロ1年目のオフに個人トレーナーを通じ、ブラジルの子どもにスポーツ用品を贈るプロジェクトを知った。同国の平均月収は約5万円と聞き、「野球をしたいという子どものために少しでも役に立てることがあるなら」とウエアなどを寄付。プエルトリコ出発前には同期が戦力外通告を受けている姿も目の当たりにしただけに「いかに自分が恵まれた環境で野球ができているか分かった」と奮い立った。

 武者修行では気付きもあった。「150キロ台後半を投げる投手ばかりだろうなと思っていたけど、意外に曲げる投手が多く、僕の方が速いと自信を持てた」。制球を気にしすぎていたが、特長を生かすため、腕を振れるようになった。自慢の直球は、この日も最速152キロをマークした。

 監督就任後、初めて“当たり”くじを自らの手で引いた工藤監督も「勇気というか度胸も付き、すべての面で1軍レベルになった。頑張っているご褒美が、こうやって現れたのはよかった」と相好を崩した。甲斐野、高橋礼、泉、椎野に続き、今季チーム5人目のプロ初勝利。故障者が相次ぐ中、若い力の台頭で貯金は今季最多の「10」。この勢いは止まりそうにない。 (鎌田真一郎)

■母・奈穂子さん感激

 岐阜市に住む高橋純の母・奈穂子さん(52)も初勝利のニュースに感極まった。登板時は外出していたといい、「昨日は見ていたんですけど、油断していました。いきなり、方々から連絡が相次いで初勝利だと知って涙が出そうでした」と喜んだ。キャンプを見に行った際に「芽が出ず、弱音をこぼしていたこともある」と悩む姿を見ていただけに喜びもひとしおだった。

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