サニブラウン登場前 車いす圧巻レースにスタンド沸騰

西日本スポーツ

 ◆陸上日本選手権:最終日(30日 福岡・博多の森陸上競技場)

 サニブラウンらが出場する男子200メートル決勝を約2時間半後に控えたトラックで、男子車いすT54クラスの1500メートルが行われた。

 この種目アジア記録保持者の樋口政幸(プーマジャパン)を抑えて優勝したのは、地元・福岡市出身の渡辺勝(凸版印刷)。ホームストレートに差し掛かるところからごぼう抜きにかかり、大外からまくって差し切った。劇的な展開にスタンドも沸騰。「人生初めての地元福岡でのレース。勝つために来た。すごくうれしい」と両拳を突き上げた。

 クラス表記はアルファベットが競技の種類で、「T」はトラック種目。数字は1個目が障害の種類、2個目が程度を表す。一般に数字が小さいほど程度が重い。かつて高校球児だった渡辺は19歳のとき、事故で胸椎(きょうつい)を損傷した。

 2017年の東京マラソンを制した27歳。この日のレースはスタートで好位置を取れず、最後尾から追う展開となった。それでも先行する選手を観察。消耗具合を冷静に見極め、一気に勝負をかけた。

 「パラの陸上競技ではありえないお客さんの数。健常者の大会だからこそ。これだけ入っている中で走れるのはうれしいし、気持ちが入る。車いすはどんな長い距離でも最後までばらけることがない。ああやって固まりになってのスプリント勝負が一番の魅力。今回それができて良かった」

 今月、リオデジャネイロ・パラリンピックで男子車いすマラソンと800メートルで金メダルに輝いた絶対王者マルセル・フグと、スイスで約2週間の合宿を行って心と技を磨いてきた。故郷に錦で弾みをつけ、7月末には世界選手権の代表選考レース。その先に、来年の東京パラリンピックを見据えている。

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