ソフトバンク・グラシアル“悪球撃ち”6打点「信じられないよ」

西日本スポーツ

 ◆ソフトバンク8-6楽天(2日・ヤフオクドーム)

 「逆転イーグルス」を逆転した工藤ホークスが今季4度目の5連勝だ。初回に3ラン、6回に犠飛を放ったグラシアルが、1点を追う展開となった8回に逆転2点打。来日2年目で初の1試合6打点をマークし首位攻防第1ラウンドを白星に導いた。逆転勝ちがリーグ最多の21度ある楽天を倒し、このカードの連敗は5でストップ。混戦パ・リーグに終止符の予感も漂う3ゲーム差をつけた。

■5連勝で3差

 前半戦最大のヤマ場となる球宴前ラストの9連戦初戦で、乗りに乗っている男がチームを救った。最大4点リードをひっくり返された直後、8回1死満塁で打席に入ったのはそこまで4打点を挙げていたグラシアルだ。1点差。ブセニッツの外角高め直球を捉えた打球は大歓声に包まれながら一、二塁間を抜けた。逆転2点打が決勝打となり、自身最多の1試合6打点をマークした。

 「チームが勝つための仕事は簡単ではないけど、集中した結果だよ」。大仕事をやってのけた後のお立ち台でもクールな姿は普段通り。そんなグラシアルが自身でも驚いたのは初回のアーチだ。無死一、三塁で追い込まれた後の3球目。石橋がつり球として投げた高めの直球を豪快にスイングした。右翼席に運んだ先制17号3ラン。「自分でもすごいバッティングをしたなと。信じられないよ」と振り返った一発は実は“吉兆弾”でもあり、自身が本塁打を放った試合のチームの連勝は9に伸びた。

 来日2年目でチームに欠かせない存在となった。好成績の背景には野球に対する誠実な姿勢がある。昨季終了後、キューバへ戻る前に当時1軍打撃コーチだった藤本3軍監督にあるお願いをした。「上林が試合前にやっている打撃練習を動画にまとめたDVDを作ってほしい」。帰国後に取り組むトレーニングの参考にするためだった。上林は10歳も下だが、向上心の塊ともいえる優良助っ人にとっては「いいものは何でも取り入れる」ことが何より重要だった。

 首位攻防の位置付けにはとどまらない重要な一戦だった。今季の楽天戦は試合前まで4勝7敗、交流戦直前に喫した本拠地での3連戦3連敗を含めて5連敗中だった。逆転負けしていればダメージは大きかっただけに、工藤監督は出色の働きをしたグラシアルを褒めたたえた。「配球を自分の頭の中に入れて打席に立っている。(8回の)あの一打が何より大きかった。今日の試合の重要性をしっかり考えてやってくれたことが結果につながった」と手放しで絶賛した。

 チームは今季4度目の5連勝。交流戦明けはリーグで唯一、無傷の4連勝と混戦を抜け出しつつある。キューバ代表に加わるため今月中旬から約1カ月間離脱するグラシアルの“穴”がますます懸念されるが、謙虚な助っ人は「戻ってきたときにチームが首位でいられるよう、残り試合は全力で貢献したい」と宣言。旅立つ前に最高の置き土産を残す。 (長浜幸治)

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