冨安見守る前でビッグセーブ 親友「トミ」を追う五輪世代GK

西日本スポーツ

試合後にサポーターのコールに応える福岡・山ノ井(手前) 拡大

試合後にサポーターのコールに応える福岡・山ノ井(手前)

リーグ戦、天皇杯を通じ今季初出場した福岡の山ノ井 古巣のホームで観戦後、山ノ井(31)ら福岡の選手をハイタッチで迎える冨安(奧) 5月下旬、福岡の練習場を訪れた冨安(左から2人目)と記念撮影に収まる山ノ井(右)

 ◆天皇杯:2回戦 福岡2-1鹿児島(3日・レベルファイブスタジアム)

 福岡のGK山ノ井拓己(20)が今季初出場し、終盤のビッグセーブで勝利に貢献した。

 2-1で迎えた延長後半、相手の力強いミドルシュートを横っ跳びでセーブ。今季福岡は逆転負けが多かっただけに「どこかでピンチが来ると思っていた。自分ができることを見せられて本当に良かった」と頬を緩ませた。

 気合が入っていた。同学年で2017年に福岡でチームメートだった日本代表DF冨安健洋(シントトロイデン)が観戦していたからだ。冨安が6月の南米選手権に行く前にも一緒に食事するなど、大の親友。この日も試合後に食事をする約束を交わしていた。

 プロ1年目だった17年は東京五輪での代表入りを目標に励まし合ってきたが、2年の間に親友は海外移籍を果たし、フル代表でも不動のレギュラーとして地位を確立。一方の山ノ井はいまだにリーグ戦でデビューを果たしていない。毎年主力を温存させている天皇杯が貴重な出場機会になっている。「トミ(冨安)とバックラインを組みたいという思いが、ずっとある」と志す山ノ井は「そこに近づくためには目の前の試合で結果を残さないといけない」と強い思いで臨んだ。

 しかし、気合は空回りし、前半35分に自らの判断ミスから先制点を献上してしまう。「メンタルが崩れるのを止めるので必死だった」と動揺したが、9分後に前川大河のゴールで追いついた。「すぐ点を取ってくれたので、しっかり切り替えられた。今まで試合中に悪いところを修正できていなかったけど、今回はできたのですごくプラスになった」。終盤は両足がつりながらもゴールを割らせず、親友に勝利をプレゼントすることができた。

 山ノ井は5月下旬に冨安と会った際、トゥーロン国際大会(6月・フランス)に臨む東京五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表から漏れたことを意外に思われたという。「トミは僕のことを良く思ってくれている。僕が試合に出ていないから露出がなく、選ばれない。試合に出続けたら選ばれる自信はある」と親友の評価は励みになっている。

 だからこそ、今回つかんだチャンスを広げないといけない。過去2年は天皇杯2回戦で勝利に貢献しながら、3回戦は出場できなかった。「次のリーグ戦(6日のホーム岐阜戦)でも出番を狙いつつ、天皇杯は確実にスタメンで出て経験を積む。もっとできるというのをチームメートに知ってほしい」。反応の速さを生かしたセーブ力が持ち味の20歳が、はるか先を行く親友を追う道のりは続く。

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