ソフトバンク甲斐野凱旋セーブ 地元兵庫で5戦連続決めた

西日本スポーツ

9回2死一、二塁、オリックス・後藤を空振り三振に打ち取りゲームセット、ガッツポーズをする甲斐野 拡大

9回2死一、二塁、オリックス・後藤を空振り三振に打ち取りゲームセット、ガッツポーズをする甲斐野

甲斐野の5試合連続セーブ

 ◆オリックス5-6ソフトバンク(6日・ほっともっとフィールド神戸)

 マウンドに上がる前から“ホーム”の空気を感じていた。スタンドからもブルペンが見えるほっともっとフィールド神戸で、兵庫県生まれの甲斐野が投球練習を始めるとファンが集まってきた。両親らも駆けつける中、「声援が大きかった」。ビジターながら、背中を押されて1点リードの9回のマウンドに上がった。

 東洋大時代のチームメート中川を156キロ直球で一飛に封じるなど、2死までこぎ着け、勝利まであと一人となってから、宗に二塁打を浴びた。初セーブを挙げた6月20日ヤクルト戦(神宮)以降、初の被安打。得点圏に走者を背負うと、高谷がマウンドに駆けつけた。

 「2死満塁になってもいいから、と言われて冷静になれた」

 次打者の大城に四球を与えても動揺はない。「それで後藤さんに集中できた」。最後は142キロのフォークで空振り三振。いつもより控えめにガッツポーズを繰り出すと、高谷と抱擁。チーム9連勝中、五つ目のセーブとなった。

 故郷でピンチでも動じない精神力を養った。西脇市出身の甲斐野は東洋大姫路高時代に初の寮生活を経験。練習は1時間前集合で、下級生の時は先輩のマッサージや洗濯などを深夜まで行い、睡眠時間が確保できないまま早朝練習に向かったことも多かった。霜が降りたグラウンドで四股を踏み、泥が付いた足のまま靴下を履いてランニングを続けて指の間が裂けたこともある。

 ある日、父有生さんに電話をかけた。何も言わずにいると、先に問いかけられた。「おまえ、辞めたいんか?」。その言葉に、負けず嫌いの虫が騒いだ。「いや、辞めんし。ちょっと電話しただけ」。「そうか。大人になったな。がんばれよ」。さりげない父の言葉が胸に刺さった。

 「お金をいくら積まれても、もう戻りたくない」と振り返る3年間を乗り越えてきたからこそ今がある。パ・リーグの首位を独走するチームの最後のイニングを任されるまでになった右腕が、故郷に錦を飾った。 (鎌田真一郎)

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