父はプロ50勝右腕 サヨナラ危機救った力投 福岡大大濠の星野

西日本スポーツ

 ◆高校野球福岡大会2回戦:福岡大大濠4―3九州産業(9日・久留米市野球場)

 背番号11が頼もしく見えた。3‐3の9回1死三塁。サヨナラ負けのピンチで福岡大大濠の星野がマウンドに送られた。最初の打者を3球三振。次打者を三邪飛に打ち取ると右拳を突き出して雄たけびを上げた。「変化球よりパワーで押すしかないと思って120パーセントの力で投げました」。10回も2死から連打で一、二塁とされたが右飛でしのぐ。11回途中で降板。12回の勝ち越しにつなげる力投だった。

 先制されて、その後もシーソーゲーム。9回裏のピンチに星野を送り出した八木啓伸監督は「星野には『三振を取れ』とだけ言いました。3年生の意地を見せてくれて良かった」とたたえた。

 星野はこの夏まで悔しい思いをしてきた。中学時代から直球は140キロを超え、1年春の早くも九州大会で高校初マウンドを踏むなど順風満帆だった。だが1年秋に右肘を痛め、半年間投げられなかった。復帰後も思うような投球ができず「昨年は点差が開いた場面で出番が来た」と屈辱も味わった。

 「抑えでいく」と八木監督に告げられたのは今春。「自分の仕事を全うしようと思った」。強い気持ちを持とうと「勇気がもらえる145の言葉」という本を読んだ。そこで元メジャーリーガー松井秀喜氏の言葉が胸に刺さった。「どんな場面でも自分の力を出すだけ」。エースナンバーは下級生に取られたが「11番はエース2人分」と後輩を支える決意をした。

 最後の夏、初戦の前にプロで50勝を挙げた父の順治さんから「自分を信じて頑張れ」とLINE(ライン)でメッセージをもらった。「11回に二塁打を打たれて交代したので信頼はまだないと思う。これからもいい投球をしていくしかない」。不動の「守護神」としてチームを30年ぶりの夏の聖地に導く。 (前田泰子)

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