ソフトバンク「超危機的」状況でも貯金16 7差ターンは今世紀パ最大

西日本スポーツ

3回無死二、三塁、福田の中犠飛で生還した牧原を迎える工藤監督 拡大

3回無死二、三塁、福田の中犠飛で生還した牧原を迎える工藤監督

ソフトバンク最近10年の前半戦成績

 ◆ソフトバンク3-7西武(10日・ヤフオクドーム)
 黒星締めでも慌てる必要はない。工藤ホークスが今世紀パ・リーグ最大となる2位に7ゲーム差で前半戦を終えた。和田が5回途中で緊急降板。逆転負けを喫したものの、2番手から若手をつぎ込む“余裕”のリレーで後半戦に布石を打った。

 2年目左腕の田浦文丸投手(19)は2回無安打の完璧デビュー。故障者続出でもベテラン、若手の融合で貯金16を積み上げてV奪回への態勢を整えた。

■若手が次々台頭

 前半戦ラストゲームを白星で飾ることはできなかった。序盤で2点のリードを奪いながらの逆転負け。5月14日以来、約2カ月ぶりに投手陣が4発ものアーチを食らった。それでも試合後、工藤監督は普段以上にキリッとした表情で最後までベンチに残り、先発した和田らナインをねぎらった。敗れはしたが、前半戦を終え貯金は16。2位と7ゲーム差でのターンは、パでは21世紀で最大差だ。

 「けが人が多い中、若い選手が一生懸命頑張ってくれた。野手でも投手でも、しっかりカバーしてくれた選手がいた。僕らも期待を持って送り出した選手が応えて活躍してくれたのは非常にうれしい」

 普通なら「超危機的」といえる状況で積み上げた16もの貯金には、数字以上の価値がある。現在、野手では柳田、中村晃、今宮と不動のレギュラーが故障離脱中。救援陣ではサファテ、岩崎を開幕前から欠き、森、モイネロが戦列を離れた。先発陣は東浜、バンデンハークと本来ならローテを任される面々がリハビリ中。これだけ多くの主力を故障で欠きながら独走できているのは、指揮官の張りのある言葉が示すように、若手の奮闘あってこそだ。

 森の離脱後、代役で守護神を任されているルーキー甲斐野はここまで7セーブを挙げた。また新人ではその甲斐野、泉、2年目の高橋礼、椎野、4年目の高橋純と、前半戦だけで5人もの投手がプロ初勝利をマーク。野手でも開幕前に育成から支配下登録された周東が、前半最終戦も1番で2安打1盗塁と暴れた。また13年目ではあるが、福田はすでにシーズン自己最多の8本塁打を記録。ベストメンバーならチャンスがあったかどうか分からない選手らがことごとく躍動し、独走ターンにつながった。

 指揮官は、経験の浅い若手や控えがこれだけ活躍する最大の要因として、2人のベテランの存在を強調した。「ウッチー(内川)やマッチ(松田宣)が常にベンチでいい雰囲気をつくってくれているからね」。そして前半戦の締めはプロ初登板の高卒2年目左腕、田浦だ。19歳とは思えない度胸で強力西武打線を2イニング連続三者凡退に抑えた。どっしりしたベテランの頼もしさと、次々出現する新星。「(前半戦の成績は)大事な試合、勝たなきゃいけない試合で、本当にチームが一つになって戦ってくれた結果」。工藤監督は大きな手応えをつかみ勝負の後半戦に挑む。 (倉成孝史)

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