初開催「eスポーツの甲子園」 競技の魅力をプロチームCEO語る

西日本スポーツ

eスポーツのプロチーム「DetonatioNGaming」のCEOを務める梅崎伸幸氏 拡大

eスポーツのプロチーム「DetonatioNGaming」のCEOを務める梅崎伸幸氏

 高校生のeスポーツの全国大会として実施される「ステージゼロ」が8月に千葉・舞浜アンフィシアターで開催される。eスポーツの人気の高まりを受けての第1回大会となり、国内最大級の高校対抗の大会となる。九州では出場権を懸けたブロック代表決定戦が14日に福岡市のソラリアステージ西鉄ホールで行われる。午前10時半から開会式があり、入場は無料。会場では「クラッシュ・ロワイヤル」に16チーム、「リーグ・オブ・レジェンド」に4チームが出場し、上位1チームが決勝大会に進む。

 急速に認知度が高まっているeスポーツの魅力や将来性、競技に取り組む若者へのメッセージを東京を拠点に活動するeスポーツのプロチーム「DetonatioN Gaming」の最高経営責任者(CEO)を務める梅崎伸幸さん(36)=福岡市出身=が語った。

 -自身の高校時代は

 「中学までバスケ部で、沖学園高に進んでから生徒会長をやりながら、ゲームにはまっていた。当時はeスポーツという言葉もないし、自分にも今のようなビジョンがあったわけではない。ただゲームが好きで、楽しんでいただけ。もちろんゲームばかりやっていたら親に怒られる。勉強も生徒会の活動もしっかりやることで、ゲームをやるようにしていた」

 -大学を卒業後、務めていた大手電機メーカーを退職し、チームを運営する会社を立ち上げた

 「自分も選手として世界大会に出場していたが、日本にはまだチームをマネジメントする会社がなかった。自分がつくったチームで、世界で勝てるようにしたいと感じた。チームを立ち上げたのは2012年で、14年に会社を辞めて専念した」

 -eスポーツの将来性について、どう考えるのか

 「日本はeスポーツが文化として根付く土壌はある。日本はゲーム大国で、例えば50代くらいの方でもファミコン、その後の世代もプレイステーションなど、ゲームに親しんだ経験がある人が多い。日本には約4千万人のゲームユーザーがいる、と言われている。きっかけがあれば推進すると思っていたら、昨年からブームに近い形になった」

 -eスポーツは若年層に比べると、高齢の方にはなじみが薄い点もある

 「今は人気がある野球や将棋も、最初は娯楽だったはず。eスポーツを受け入れた若者が年を取り、家族を持つような年代になれば、当たり前になるでしょう。漫画やアニメが世界に誇る日本の文化になったように」

 -設立当初は苦労も多かったはず

 「いまはスポンサーが18社まで増えた。最初は営業しても『eスポーツって何?』と門前払いばかりだった。学生や若者に人気が出ると、スポンサーは彼らにどうアプローチするかを考えるようになった。いまは国体の競技にもなり、力を入れている自治体もある」

 -プロ選手になるのは簡単ではない

 「最初は数人とプロ契約したが、選手に報酬を払えなかった。お金をもらえないとプロとは名乗れない。いまは40人以上と契約している。それぞれ差はあるが、1千万を超える選手もいる」

 -これからeスポーツでプロを目指す若者も増えると思う

 「稼げる形はできつつあるので、夢はあるでしょう。ただ、土壌づくりはこれから。近年では専門学校ができたり、eスポーツのコースをつくる学校も出てきたけど、高校の部活などは少ない。野球やサッカーなど、部活には監督やコーチがいるが、日本にeスポーツを指導できる人はほとんどいない。プロを目指す人材を育てるなら、例えばJリーグのユースのように特別な人を育てないといけない。技術の継承は欠かせないでしょう」

 -そのための活動にも力を入れている

 「自分の仕事は若者に道をつくること。eスポーツの大会は増えているが、若者が出場できるものは少ない。今回のステージゼロは素晴らしい取り組み。例えば野球の甲子園のように、人が集まり、名誉ある大会になればいい。日本では若手選手の台頭が少ない。欧米やアジアは、超新星と呼ばれるような新しい選手が次々と出ている。日本もしのぎを削っていく環境をつくらないと。チームでは、ゲーミングハウスと呼ばれる共同生活の場を設けている。東京都内や関東近郊で他のチームもやっているが、海外では主流になっている」

 -今後の目標は

 「まずはチームから1億円以上を稼げる選手を輩出すること。それが若い人に夢を見せてあげられることにつながる。そのうえで世界で勝てるチームにしたい。新しい事業も考えているし、プロ選手のセカンドキャリアや若い人をスカウトするシステムづくりにも取り組んでいきたい」