村上博幸、石井貴子(千葉)がともに初制覇

西日本スポーツ

サマーナイトフェスティバル優勝の賞金ボードを掲げる村上博幸 拡大

サマーナイトフェスティバル優勝の賞金ボードを掲げる村上博幸

賞金ボードを掲げるガールズケイリンフェスティバル優勝の石井貴子

 別府競輪のG2「第15回サマーナイトフェスティバル(SNF、優勝賞金1100万円)」は最終日の15日、12Rで決勝戦を行い、村上博幸(40)=京都・86期・SS=が最終2角6番手から捲った渡辺雄太をゴール前で逆転し、大会初優勝を飾った。2着は渡辺で、大外を伸びた園田匠が3着に入った。同時開催のF2ガールズケイリンフェスティバル(GKF、優勝賞金250万円)は、石井貴子(29)=千葉・106期・L1=がBSすぎからの2番手捲りで初制覇。圧倒的な人気を集めた児玉碧衣は2着だった。3日間の車券売上額は43億6402万円で、目標に掲げた41億円を突破。九州初のSNFは成功裏に終えた。

■村上博サマーナイト初V

 2014年のG1全日本(高松)以来となる約5年5カ月ぶりのビッグレースVに、村上博幸が最高の“苦笑い”を振りまいた。「優勝は正直、忘れていた感覚。もうベテランの域に入ったけど、4角をすぎてから脚が三角に回った。(ゴール後に)手を上げたかったけど、自分を信じることができなかったですね」。10年にグランプリも制した男でも、その瞬間は想像を絶する緊張だった。

 4分戦の大一番。ライバルたちは地区ごとにラインを組んだ。村上は連係実績のない渡辺とタッグを組んだが、それでも「後ろ攻めから流れの中で、前々に攻めてくれた渡辺君のおかげ。(2角から仕掛けを)待たずに、そのまま捲ってくれましたね」と賛辞を惜しまなかった。

 赤いパンツをはいているとはいえ、チャレンジャー精神を忘れない。「ナショナルチームの選手とはスピードが3枚以上も違う。追い込み選手が苦しい中で勝てたのがうれしい。この先もS級S班のアドバンテージを生かしながら、勝てる展開の時にしっかりと勝ち切れる状態をつくり上げていきたい」。

 G2サマーナイトの初優勝で賞金ランキングを12位から5位に上げたが、立ち止まることはない。追い込み選手としての最高の輝きを求め、ペダルを常に踏み続ける。 (森川和也)

 ◆村上博幸(むらかみ・ひろゆき)1979年4月15日生まれの40歳。京都市出身。花園高卒。2001年8月、京都支部86期でデビュー(奈良(1)(1)(1))。通算成績は1356走で354勝、優勝54回。2010年にGP制覇。G1は10年日本選手権、10年SSシリーズ風光る、14年全日本選抜、G2は07年共同通信社杯、11年西王座戦、19年サマーナイトフェスティバル。通算取得賞金は8億7486万2865円。ホームバンクは京都向日町。166.0センチ、69.0キロ、太もも62.0センチ、O型。

 渡辺は惜敗 力量底上げ誓う

 強烈なBS捲りを放った渡辺雄太は16年のヤンググランプリ以来となるG2優勝目前で、村上に差された。「松浦さんが前を叩いてくれたので、いい感じになったけど…」と視線を落とした。直線は「後ろから誰か来る気配があったので踏んだけど、力不足ですね」と小さい声。まだ24歳の新鋭は、次の機会に向けて力量の底上げを誓った。

 【12R決勝VTR】初手の隊列は、前から中川‐園田、松浦‐小倉、吉田‐平原‐佐藤、渡辺‐村上で周回。赤板前から動いた渡辺が中川を抑えると、先行気味に踏んで、吉田ラインを出す。松浦はすかさず吉田の4番手に追い上げると、そのままHS捲り。単独6番手になった渡辺は、中川の8番手スパートを察知して2角捲りを放ち、4角で松浦よりも前に出る。村上はきっちりと渡辺を追走し、ゴール寸前のハンドル投げで逆転。中川から村上後位に切り替えて外踏んだ園田が3着に入った。

   ◇     ◇

■石井自力V夢心地

 過去3度ガールズコレクションを手にしていた石井が、ゴール後に派手なガッツポーズ。バンクから引き揚げてきても「最後は必死だった。こんな日が来るなんて…」と信じられない様子で汗を拭った。

 初手は、梅川後位の4番手。終3半で仕掛けた梅川に離れることなく追走。そこからは「動きが激しくて、その時その時をしのいだ感じ」。勝負どころのBSも「無我夢中で覚えていない」という中で、番手捲りを敢行。直線入り口で梅川をのみ込んで、捲って迫った人気の児玉を退けた。「今回は追い込み一辺倒ではなく、自力を出そうと思っていた。自力でタイトルを取れたのは初めて」。2日目の2着もBSから自力で捲ったもの。内容的にも大満足の3日間だった。

 賞金ランクは2位に浮上。ガールズグランプリ出場権をほぼ手中にした。今後は「一戦一戦」と言うが、視線は昨年2着に敗れた女子最大タイトルへと移っていく。 (野口雅洋)

 ◆石井貴子(いしい・たかこ)1990年2月17日生まれの29歳。岐阜県美濃加茂市出身。早大卒。2014年5月、千葉支部106期でデビュー(松戸(1)(1)(1))。通算成績は340走で190勝、優勝55回。主なタイトルは、ガルコレ3回優勝(15年9月、17年3月、18年5月)、GKF(19年7月)。通算取得賞金は6283万7900円。ホームバンクは松戸。師匠は篠田宗克(65期)。163.1センチ、57キロ、太もも57.5センチ、O型。

 碧衣無念2着

 捲って2着に届いた児玉だが、初のGKF制覇はならなかった。「打鐘前に長沢さんが来て下げたことで、仕掛けるタイミングが狂った」と、いつもの積極性が出せなかった。それでも最後は捲って石井に迫ったが「接触があったりと、最後まで思うように走れなかった」と不完全燃焼。それでも来月の大一番、ガールズドリームへ「(小林)優香さんを倒せるように頑張ります」と切り替えていた。

 【11R決勝VTR】大久保がS取り。細田、梅川、石井、児玉、小林、長沢の順で周回。赤板で長沢が進出し、打鐘前に児玉の前に入る。鐘3半で梅川がスパート。石井がマークしBSへ。仕掛け遅れた児玉が2角6番手捲りに出たが、石井がそれに合わせて番手捲り。4角過ぎに先頭に立った石井がV。外を踏まされた児玉が、逃げた梅川をわずかに捉えて2着。

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