井原正巳氏が気になる「福岡の福岡」 ラグビーW杯まで2カ月

西日本スポーツ

 9月20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会まで残り2カ月となった。J2柏の井原正巳ヘッドコーチ(51)は、昨季までJ1、J2福岡の監督として4年を過ごした福岡出身で母校・筑波大の後輩でもある日本代表のWTB福岡堅樹に熱視線を送っている。日本が初めてサッカーW杯に出場した1998年フランス大会で主将としてチームをまとめた経験をもとに、日の丸を背負う重圧とやりがいを聞いた。(聞き手・構成=松田達也)

■トップリーグも観戦

-ラグビーとの接点は

 競技として取り組んだのはサッカーだけ。ラグビーは筑波大時代の授業で経験した。現役引退後、トップリーグのチームと一緒に子どもたちに競技の楽しみを体験してもらおうと、サッカーとラグビーがコラボレーションした試みをやったことがある。トップリーグの試合も観戦している。

-サッカーとは異なるラグビーの魅力をどう感じているか

 タックルなど激しい体のぶつかり合いは格闘技のような強さで、サッカーとは違うものがある。投げる、蹴るもあるし、トライに向かってボールを運ぶつながりは面白い。一つのボールを全員で前に運び、スクラム、パスを交えて前進し、トライするまでの流れが切れないときの盛り上がりもすごい。ポジションごとの役割も違う。SHが仕切り、FWが体を張り、WTBが走る。全員が勝利のために、それぞれの役割を全うしているんだなと感じる。

-日本代表では、同じ筑波大出身のWTB福岡がエースとして活躍している

 もちろん知っています。「福岡の福岡」ということで、かなり有名じゃないかな。スピードのある選手だし母校の選手として気になる存在。応援している。

-日本代表としてW杯に出場することの重みとは

 日の丸を背負って戦う重圧を感じることにやりがいはある。自分が出場した1998年は、日本が初めて出場したW杯だった。大会が近づくにつれてサポーターの期待も高まり、結果を出さないといけないという思いは強かった。次の2002年は日本と韓国での開催。自分は出場していないが、ホスト国としてのプレッシャーがあったはずだ。今回のラグビー日本代表も半端ではないプレッシャーがあるとは思う。

-主将としてチームをまとめる難しさを知っている

 ホスト国はいかにチームを強くするかが大事。ラグビー日本代表の場合は日本人、外国人が入り交じっている。難しさはあるでしょうが、主将のリーチ・マイケル選手は経験も実績もあり、そういう選手が引っ張ることで、チームはまとまるでしょう。

■初戦が重要

-やはり経験というのは大きな武器になる。

 98年は選手やスタッフの誰もがW杯の経験を持っていなかった。W杯はどんなものか、勝つことがどれだけ大変かを肌で知らなかった。今のラグビー日本代表はそういう難しさを知っている主将だけでなく、スタッフや監督を含め、経験値の高い選手が、W杯で勝つために取り組んでいる。楽しみです。

-日本は史上初の8強を目標にしている

 チームとして掲げる目標に到達してもらいたい。日本でラグビーが盛り上がっていくため、重圧を感じすぎず、やってきたことを信じてほしい。ホスト国には地の利が必ずある。W杯で日本を応援しようという雰囲気は高まっている。チームのパワーになることは間違いない。競技の違うわれわれも、エールを送りながら盛り上がりにつなげていきたい。

-W杯で勝ち上がるポイントは。

 前回W杯で南アフリカに勝利したのも初戦。やはり初戦で勝ち点を取ることはすごく大事になる。サッカーの02年W杯もベルギーとの初戦で勝ち点1を奪ったことで、勢いがつき、次のラウンドに進めた。そういう流れ、勢いは大事。まずは初戦に集中して、いい準備をしてほしい

-国内12会場で試合が行われるだけでなく、キャンプ地を含めれば全国各地にW杯に関わる自治体が広がる。J2柏の本拠地、千葉県柏市ではW杯2連覇中のニュージーランドが事前キャンプを行う

 柏の皆さんにとっても大きなことだと思う。世界一になったチームを目にする機会は少ない。子どもたちやラグビーファン、スポーツをやっている人が、世界のトップレベルの選手を身近に見られるのは刺激になる。ラグビーファンの拡大にもつながるはずだ。

-世界の強豪が見られるのもW杯の魅力

 日本以外のトップチームが見られる貴重な機会。選手と交流できることもあるかもしれない。私自身はJ2がシーズン後半の大事な時期にさしかかるので、試合を見に行くことは難しいかもしれないが、機会があれば、ぜひ行きたい。

-福岡でも3試合開催される。

 福岡はラグビーが盛んな地域だと感じていた。高校も強く、社会人チームもある。アビスパ福岡のホームでもあるレベスタ(レベルファイブスタジアム)で試合もあるし、トップレベルのプレーをファンに届けてほしい。野球、サッカー、ラグビーを中心として、これからもスポーツを通じて、福岡が盛り上がってくれればうれしい。

 ◆井原正巳(いはら・まさみ)1967年9月18日生まれ。滋賀県出身。サッカー選手として滋賀・守山高から筑波大を経て、90年に日産自動車(現J1横浜M)入り。国際Aマッチは歴代2位の通算122試合出場、5得点。「アジアの壁」の異名を取り、日本がW杯初出場した98年フランス大会で主将。横浜Mから磐田、浦和を経て2002年に現役引退。引退後は北京五輪代表コーチなどを歴任し、15年から福岡で4シーズン指揮を執った。

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