体操内村「波乱しかない」東京への道 五輪1年前インタビュー

西日本スポーツ

 体操男子の個人総合で五輪を2連覇している内村航平(リンガーハット)が2020年東京五輪の開幕まで1年となる24日を前に単独インタビューに応え、自国で迎える自身4度目の五輪挑戦に強い意欲を示した。30歳の内村は4月の全日本個人総合選手権で予選落ち。不振の原因となった両肩の痛みが和らぎ、金メダルを目指す東京五輪に手応えを示した。(聞き手・構成 伊藤瀬里加)

 -五輪まであと1年となった。過去3大会の前との心境の違いは。

 「3回とも違う。だから五輪なんだな、というふうには感じている」

 -それぞれの心境は。

 「北京の1年前となると大学1年で『五輪に出たいな、出られるかもしれないな』という感じ」

 -ロンドン五輪は世界選手権を3連覇し、世界王者として迎えた。

 「ロンドンの1年前だと、もう立ち位置がしっかり分かっていて、五輪に出られるか、出られないかというよりは、(実力的に)出ることは決まっていた。金メダルが取れる位置にいて、取らなければいけない。そういうプレッシャーも持ちつつやっていた1年」

 -連覇を目指したリオデジャネイロ五輪前は。

 「個人でというよりは団体でいかに勝っていけるかだった。1年前の世界選手権で実際に勝てた。1年前に団体で勝ってリオにつなげる1年となった。個人はまあ、団体でしっかり6種目で貢献するためにやっているみたいな感覚だった」

 -そして4度目の東京。

 「東京に関してはもう、波乱しかないです」

 -追われる立場と、故障に苦しむ今の立場だとどちらが苦しいか。

 「今は追う立場か、追われる立場かというと、そうでもない(どちらでもない)立場。だから、それが一番つらい」

 -目指すべき場所が見えにくい。

 「追う方は『ああいうことをすれば一番になれる』という目標がある。追われる立場は『下の選手たちがこういうことやっている。じゃあ、これ以上のことをやればいい』と目標が明確に見える。今は『どうやっていけばいいのかな』とか、『こうやればいいのかな』とか、不明確なものに対して追い求めていく。そっちの方がつらいかな」

 -体操界で前例のないプロという取り組みを3年やってみて。

 「だいぶ、体操界にも浸透してきたと思う。前までは全日本選手権やNHK杯などの試合に行くと、日体大、順天堂大、徳洲会、コナミと選手がいるけど、みんなのTシャツ、ジャージーに書いてあるのは所属名だけだった。昨年くらいからスポンサーロゴをつけている所属が増えたなというのがある。そこはちょっと貢献しているんじゃないかな。体操を応援しようという企業が増えたのでは」

 -広がりを感じる。

 「うれしいです。やってよかったなと思うし、自分だけというのが嫌なんです。みんなも、なってほしいという思いでやっているので。そこは徐々に、広がりつつあるかなと思う」

 -子どもたちへの体操教室などを通して、競技への関心は感じるか。

 「教室に来た子どもたちがその後に興味を持ってくれているかは自分ではなかなか感じることができない。でも、(保護者に)僕のクラブはないんですか?という質問をされたことがあって、『まだないですね』って(答えた)。子どもを持っているお母さんたちがそういうのを求めているということなのかな。子どもたちはいろんなことに興味がある。体を動かすことの楽しさを知ってくれたら、くらいの気持ちでやっている」

 -痛めている両肩の状態は。

 「痛みはほぼない。これから練習の強度を上げて、痛みがどう出てくるか分からないけど、今のところは痛みも減ってかなり順調に来ている」

 -8月末の全日本シニア選手権(福井)が復帰戦となる。

 「思ったよりはいいかなと思う。肩の(痛い)状態がギリギリまで引っ張るのではないかという予想が覆っているので」

 -紆余(うよ)曲折を経て迎える東京五輪。1年後、東京でどんな姿を見せたいか。

 「東京で、どういう姿を見せたいかというより、東京五輪を日本代表という立場で迎えたい。それに尽きますね」

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