ソフトバンク5年目23歳・栗原プロ1号 スタンドイン後も全力疾走

西日本スポーツ

 ◆ソフトバンク11-7ロッテ(23日・ヤフオクドーム)

 初ものづくしのシーズンを送っている「打てる捕手」がまた一つ足跡を残した。8回2死二塁、途中出場の栗原が田中の内角低めスライダーを完璧に捉えた。「入ってくれと思いながら走っていた」。打球が右翼スタンドに届いた後も、初々しく全速力でダイヤモンドを一周した。プロ5年目、通算33打席目に飛び出した自身初アーチに「ホームランを打ちたいとずっと思っていた。本当にうれしい」と喜びを爆発させた。

 4月13日の楽天戦で延長10回の好機に代打で登場し、殊勲の決勝打を放ってプロ初打点をマーク。7月8日の西武戦では初のサヨナラ犠飛を打ち上げ、仲間から手荒い祝福を受けた。

 昨季まで通算1安打だった男の転機は今年1月の長崎自主トレだった。中村晃に弟子入り。昨季は長打力アップを掲げ、自身初の2桁アーチとなる14本塁打をマークした“師”とトレーニングをともにしたことで意識が変わった。「長打を打たないとプロで生きていけない」。入団時は50メートル走6秒の俊足が持ち味で、走れる捕手を目指していたが、「僕よりも足の速い選手はごまんといる」と自身の“生きる道”を定めた。

 昨春キャンプでは第3捕手として期待をかけられながらも左肩を脱臼し、夏場までリハビリの日々が続いた。「ケガがあって思うようにいかない時期もあった」。今も左肩は一定の高さまでしか上がらず、投手の高めに抜けたボールを捕球する際には痛みが走る。それでも「誰だって痛みを我慢しながらプレーをしている」と弱音は決して吐かない。

 17日の日本ハム戦では6番DHでプロ初スタメンを飾るなど、首脳陣も打力に期待を寄せている。試合前には一塁や外野の練習にも加わり、打力を生かす最善策を模索している。「最近はちょっとずつ打席の中で余裕ができつつあるし、(相手捕手の)配球も考えられるようになった」。成長著しい23歳が大きなアピールに成功した。 (長浜幸治)

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