「鳥肌立った」熊本工6年ぶりV 9回決勝スリーバントスクイズ

西日本スポーツ

 ◆高校野球熊本大会決勝:九州学院5―7熊本工(25日・リブワーク藤崎台野球場)

 伝統校の熊本工が6年ぶり21度目の甲子園出場を決めた。

 そのアイコンタクトが古豪を6年ぶりの甲子園へ導いた。5‐5の同点で迎えた9回1死三塁。カウント2ボール2ストライクからの8球目、吉山綸太郎(3年)が顔の高さの変化球を見事に投手前に転がし、三走が決勝のホームを踏んだ。

 「吉山が『スクイズのサインを下さい』というムードを出していたので迷わず出しました」と田島圭介監督が打ち明ける。ヒーローとなった吉山は「いつかはくるだろう、と感じてました。一発しかないし、気持ちでいきました」とたった1球のバントに懸け、鮮やかに成功させた。サインを出した監督とスリーバントスクイズを決めた選手。どちらも見事だった。

 最後の夏、大会に入って吉山は絶不調。5試合でヒットは2本だけだった。3回戦が終了した後の練習時に田島監督に「(チャンスで)スクイズのサインを出してください」と直訴していた。それが甲子園を決定づける“一打”となった。

 序盤に3点をリードされる苦しい展開。劣勢に立たされたチームに活力をもたらしたのは抑えの右腕村上仁将(2年)だ。3回、2点を勝ち越された無死二、三塁からリリーフし、7イニングを2安打1失点。6回には2死満塁で右翼越えに同点の3点二塁打も放った。「ロングリリーフだったので、きつかった。でも、勝ったときは鳥肌が立ちました」。今大会4試合目の登板。これまで3試合で10回を無失点に抑えた右腕は決勝でも輝いた。

 4度目の九州学院との決勝対決を制して3勝1敗に。夏の甲子園出場は選抜と並んで21回目となった。出場回数は春も夏も熊本県最多。「今、最高の気持ちです。選手が力以上のものを出してくれました。全国と戦える挑戦権を得て、胸を借りるつもりで頑張ってきます」。熊本工OBでもある田島監督が誇らしげにナインを見つめた。 (森本博樹)

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