新生HKTさらに思いは一つ 月イチ活動報告(下)
約4年半ぶりとなる九州7県ツアー「あの支配人からの、卒業。」を7月21日にスタートさせたHKT48。指原莉乃や兒玉遥らが卒業し、松岡菜摘や本村碧唯らがけん引する新体制での「最初の一歩」は、センターから後列の端まで全員が必死になって作り上げた珠玉の2公演となった。スタッフや演出家の厳しい叱咤(しった)を受けながらリハーサルを重ね、上下を問わず意見を出し合って、思いを一つにしていったという「新生HKT」。新たな旅の始まりを、4期生の小田彩加(20)、武田智加(16)、地頭江音々(18)、豊永阿紀(19)の4人と振り返った。(古川泰裕)
-初日であれだけのパフォーマンスができることを見せた
豊永 課題はまだまだたくさんあるし、良くできる場所もいっぱいあると思うんですけど、誰もマイナスに捉えてないというか。あれだけのことができたんだから、まだできると思えるところが、いいツアーにしたいっていう思いが、今まで以上に強いというか。先輩に頼ってたり、大人の力を借りてたりした分、「自分たちで」っていう意思がいちばん強い。
武田 初日にあれだけ「すごかった」って言ってもらえるものができたのが、うれしいですね。これまで「あれすごかった」って、しっかり言っていただくことが少なかったし、実際それがどうだったかも分からないし、やってる側と見てる側の温度差を知ることがあんまりなかったので。そういう面では、良かったって思ってもらえてるんだっ、ていうのを、やっと知れたというか。
豊永 初めて演出家さんに、次の日ほめられたんですよ全員。「良かったんじゃない?」みたいに。
地頭江 ツアーの前に、もうボッコボコに怒られて(笑)。
小田 愛がある叱り。誰も言ってくれないことやけど…。
武田 ド正論がくる(笑)。
地頭江 本当にド正論(笑)。
豊永 セットリストがきつい分、汗もかくし動くから、勝手な達成感はあるんですよ。でもそれだけで済ませちゃダメだっていうのを言ってくださる方がいないと、勝手に満足しちゃうから。
地頭江 HKTが出来上がってから入ってきて、先輩たちが怒られてるところとか見たことがないから、あんまり多分、先輩たちより叱られてなくて。これがダメとか、こうした方がいいとか教えてもらうことがあんまりなかったので。久しぶりに、初期のダンスレッスンぶりぐらいに「こうした方がいい」っていうことを教えてもらったので。本当に、私たちも先輩が怒られてるのを初めて見たようなぐらいだったので、先輩たちも頑張ろうって思ってくださったと思うんですけど。でもその、ガツンって言われた言葉でみんなが「頑張らなきゃ」って思ったので、すごくありがたいなと思いました。叱られる環境ってありがたい。
豊永 頭ごなしじゃないから腹が立たないというか。情けなくなるというか。
地頭江 悔しいって思った。
豊永 それがあったから全員で「話そう」ってなったし。その話し合いで、なつさんが、「後輩も言って」じゃなくて「後輩からどう見えてるのか、どう感じてるかが知りたいから言ってほしい」って言ってもらえたのが、すごくありがたかった。それに応えたいと思って話したし、そしたら5期生も話してくれて。
小田 雰囲気つくってくれたよね。みんなの意見を聞いて、自分だけが思ってたんやないかなって、でも口には出さないことをみんなが言うことで、同じ事を思ってたんやって。安心というか、気持ちが通じ合った。先輩とかは、その悩みを乗り越えてきたからこそ言える言葉があって。みんながHKTメンバーだから、みんな一人ずつが頑張らないとって。
豊永 なにウルウルしてんの。
小田 そう思いました(笑)。
武田 話し合いの時、じーな(神志那結衣)さんが仏に見えた。
小田 じーなさんの言葉めっちゃ響いた。
豊永 これだけいろんな人が言ってるけど、だからダメとかじゃなくて、みんながHKTだし、自分が自信を持つことが大事。
小田 そうしないと輝けないし、って。
豊永 「謙虚」と「自信がない」は、また別物なんだなって思いました。
武田 話し方も温かみがすごかった。
豊永 一人もHKTにいちゃダメだった人はいないよって。真横で聞いてたんですよ。
小田 ウルウルしちゃった。5期生の意見とか聞いて、後輩がこんなにしっかりしてるんやって、すっごい衝撃やった、10代とか中学生のメンバーの話す言葉も、すごく考えてたし、頑張らなきゃなって思わされました。
豊永 工藤陽香ちゃん(5期生の13歳)が…。
地頭江 ねねも思った。もう号泣しながら…。
小田 私には元気しか取りえがないから…って。
豊永 でも、だったらそれを一番にしたいって言ってて。
小田 それからくどはるちゃんをずっと見てたら、本当にずっと笑顔でやってて、見てて楽しくなって。何年もやってると手を抜いちゃうというか、自分なりのリハの仕方も出てくるけど、これが本当の初期だなって思わせる5期生のパフォーマンスに、すごく刺激をもらいました。
-21日の初日は「結果」ではあるけど、グループにとっての「転機」は19日になりそう
豊永 最後になつさんが、明るく「これで明日できなかったら、みんなで辞めよう!」って(笑)。そうやって空気を明るくしてくれるのが、なつさんのいいところだなって思います。
-全員卒業(笑)
豊永 本番はマイクがあるので、(リハでも)歌った方が頭にも入るしっていう話をしたときに、(水上)凛巳花が、「歌っていいのか分からないから、先輩にも歌ってほしいです」って、絶対後輩からは言いづらいことを言ってくれて。めっちゃ個人的にうれしかったんですけど、「阿紀さんの隣だとリハが楽しくて」って。きゅーんとして。そこでまた泣いた。そしたら次の日、みんなでめっちゃ歌って。楽しかった。
武田 ちゃんと楽しかった。
豊永 それまでは、自分でいっぱいいっぱいだったから。
-結果的に、みんながみんなのことを、よく見ようとしていたのでは
武田 うん。みんなが見える分、目が合う回数も多かったし、みんなが楽しんでるんだなっていうのが分かったし。みんなの空気が見えましたね。
豊永 人が多くなると、自分がどれだけ残せるかとか、自分がどういう存在であれるかって考えちゃうんですけど「1人対客席」みたいなところが本当になかったというか。周りを見て自分はこうしなきゃいけないなとか。無意識っていうか、潜在的なものがみんな、覚醒してたな。でもこれから成長していくものでないといけないから、プレッシャーでもあります。
武田 とりあえず今は10月で終わりだけど、そこで終わらずに、もっといけるように、もっと続けられるように、これから上げていかないといけないと思うし。結局は全員で出られなかったので、今度こそ全員でできる場所があったらいいなと思います。そうなれるように、これから頑張っていかないといけないし。
豊永 見たい、知ってもらいたいと思ってもらえる自分たちでいたいし。関東にも行きたいし。
小田 世界にも行きたーい。
-夜公演では豊永さんがソロで「涙の表面張力」
豊永 みんな昼公演が終わって一回解放されたってなってる中、私だけ…。
小田 珍しく阿紀ちゃんも緊張するんや、って。
地頭江 かっこよくて、一周回って笑ってしまった。
豊永 本当にメンバーが持ち上げてくれる(笑)。
小田 先輩に阿紀ちゃんファンが多い。みんなでリハでコールしてた。
地頭江 村重(杏奈)さんが真後ろでバックダンサーして(笑)。
豊永 マラカス持って、りこぴ(坂口理子)さんが音程とってくれて(笑)。
豊永 どうしても歌えないパートを(宮崎)想乃とあかり(渡部愛加里)が特訓してくれたりして。先輩は盛り上げてくれて勇気が湧くし、メンバーに支えられたソロでしたね。初めて、自分で曲を決めたんですよ。マネジャーさんに「ソロでしてもらおうと思ってるけど、曲決めて」って言われて、どうしようと思って。「フレンチ・キス」さんの曲にしようと思ってたら先に(田中)美久が「火山灰」を決めちゃって。謎のゆきりんさん(柏木由紀)推しになっちゃうってなって(笑)。らいらさん(伊藤来笑・卒業生)とかにもめっちゃ聞いてたんですけど、結局誰も意見も聞かず(笑)。後で定点カメラの映像見たら、(ファンが)びっくりするくらい声出してくれてて、うれしかったです。
-「カモミール」初披露
武田 記憶ないんですよね。ぶっ飛んでる。センターっていうのもあるし、ドラフト2期生以降しかいない若手しかいないし、引っ張らなきゃいけない側のポジションなんだっていうのが、自分を奮い立たせたところもあるし。若手ってくくられるからこそ、これからHKTを、私たちができるよっ、ていうのを見せないといけない場所だと思ったので。めちゃめちゃ、まだやるのってくらい、何度もやった気がしますね。リハとか、合わせとか。
地頭江 後輩が多い分、もっとこうしてあげなきゃ、教えてあげなきゃって気持ちが強まって。先輩になったのを実感したというか、もっと自分がちゃんとやらないといけないなって思いました。
-4期生の役割も少しずつ変化
武田 下よりの真ん中だなとは思う。
-フレッシュ感を出しつつも、中堅でもある
小田 今まで4期生で「さくらんぼを結べるか?」とか披露させてもらってたのが、5期生の「バグっていいじゃん」になってて、時代の変化を感じるというか、「フレッシュ」で見てもらうチャンスは減っちゃったからこそ、一人一人がやっていくことが大事なのかって思いました。4期生だけで披露する機会が減っちゃうのかなって、ちょっと悲しかった。
地頭江 ちょうどフレコンのとき、3期生さんが3年目とか4年目で。先輩ってすげえって思ってた時期に自分たちが来ちゃったから、あの時の3期生くらい、すごいって思われるような感じなのかなって、自分をもう一回見つめ直さなきゃって思った。
武田 近かった分、一番3期生さんを見てたので。5期はたぶん4期を見るのかなと思うので、ちゃんと先輩にならなきゃと思うし。でも先輩から見たら、まだまだできてない後輩だし。
地頭江 どっちにしろ頑張らなきゃいけない。
豊永 橋渡しじゃないけど、先輩と入ってきた子たちがちゃんとつながれる役割は4期生かなと思ってて。話したわけじゃないけど、5期と仲がいいのは4期生が多いなと見てて思うので、それぞれに思ってたのかなって。そういう役割がないと、グループって続いていかないと思うし一つにならないと思うから、つなぎじゃないですけど、そういう「合わせる」役目の期なんじゃないかと思いますね。それはそれで誇らしいというか、大事というか、大切にしたい役割。
-今後も続くツアーへ
豊永 個人としては、ソロをどれだけ自分のものにできるか、成長できるかというところですし、全体ではもっといろんなメンバーと絡めたらと思うし、全体での豊永に求められてることを見つけて、新しいHKT48にいてほしいなって思われるメンバーになれるように頑張ります。
小田 ツアーの前の大きなステージは博多座だったと思うんですけど、いつも反省の方がいっぱいあって、暗くなっちゃうんですよ。みんな輝いてたな、自分はもっと…とか思っちゃうけど、今回は前向きに次はこう変えていきたいっていう気持ちになれたから、これを全部の公演続けていけたら、千秋楽に変われる自分がいるかなって期待しつつ、それを目標に頑張りたいなって思ってます。
地頭江 全部は出られない上、特別目立てるところもない。モニターもない分、どう自分が目立つかっていうのをちゃんと考えて、なんであの子全会場回らないんだろう、あの子すごいって思われるように。HKT全体とかもあるんですけど、自分が成長できたらいいなって思います。自分に自信がなくて、まだまだだなって思うので、このツアーで自信がつけられるようになりたいなって思います。
武田 私も全部は回れないので、回らせていただける場所の中で、特別前にいるわけではないけど見つけてもらいたいと思うし、その中で目立てるようになりたい。新しいHKTっていいよね、これからのHKTって明るいよね、って思ってもらえるものをみんなで作り出していけたらなって思う。初日は、みんなで頑張ろうっていう気持ちがすごくすごく強かったので、これから進んでいく中でも、その気持ちをずっと持ち続けて、みんなでHKTをつくり上げていきたいと思います。