神村学園に闘牛を引いて歩く男 鼻血も耐えた2打点
◆全国高校野球選手権1回戦:神村学園7-2佐賀北(6日・甲子園)
神村学園(鹿児島)が九州対決を制し2年ぶりに甲子園で勝利の校歌を歌った。5番田中大陸(2年)が初回のスクイズ、2回の適時二塁打で2打点を挙げる活躍。鹿児島・徳之島出身で、実家に3頭飼っているという闘牛用の牛に負けない快進撃を目指し、2回戦では高岡商(富山)と対戦する。
でっかい牛の手綱を引くことを思えば、バットコントロールは「簡単ですよ」。笑うのは神村学園の2年生・田中大だ。徳之島の実家には闘牛用の牛が3頭。「僕が散歩もさせていました」と近所の砂浜まで何度も引っ張った。「たまに牛のように突っ込んでいくんですよ。僕はそういうのが好きなので、彼を5番に置いています」という小田大介監督が、初回、1点を先制直後の無死満塁で田中大に出したサインは、なんと「スクイズ」だった。
満塁ではフォースプレーでアウト。だから、うまく打球をコントロールしなければならない。田中大は「手だけじゃなく体ごといく感じ」と普段から状況を想定してバントを転がす。「それだけの練習はやっています。絶対的信頼」と小田監督は、1ボール1ストライクからの3球目に迷わずスクイズを指示した。
■吉兆の「田中姓」
「相手が嫌がるプレーを自分でやってやろうと。そう思って練習してきましたから」。田中大は打球を一塁線に転がして2点目を挙げた。3点リードの2回にも、チームは2死から中軸の3連続二塁打で2点を追加。3本目が田中大だった。続く松尾駿助(3年)の三ゴロの際、相手三塁手と交錯(守備妨害でアウト)。左の鼻の穴から出血したが、ティッシュを詰め、フル出場した。前進あるのみの“闘牛パワー”で生んだ2打点が、チームに2年ぶりの甲子園での白星をもたらした。
3回戦進出を果たした2年前、ベンチ入りした選手に田中姓が2人いた。現メンバーは「田中がいる時は甲子園に行けるぞ」と小田監督にも言われ続けた。今大会は田中姓が3人いるから「3勝はします」と田中大。闘牛と田中姓の“神通力”が神村学園を後押ししているかのようだ。 (喜瀬雅則)






























