甲斐拓也が育成出身初10号「これか」浅村バットで悟る

西日本スポーツ

2回1死、右越えに10号ソロを放つ甲斐 拡大

2回1死、右越えに10号ソロを放つ甲斐

2回に本塁打を放ち、笑顔でナインとタッチを交わす甲斐 甲斐の年度別打撃成績 主な育成ドラフト入団選手のシーズン本塁打数上位

 ◆ロッテ4-2ソフトバンク(6日・ZOZOマリンスタジアム)

 甲斐がバットを振り抜いた。1点を先制された直後の2回1死。アクシデントで降板した先発岩下に代わり緊急登板した東條の、外角直球に踏み込んだ。高く舞い上がった打球は風にも乗って右翼ポール際へ。9年目で初の2桁到達となる10号同点ソロは、育成ドラフト入団選手では初のシーズン2桁本塁打だった。

 球団の捕手では2009年田上以来の2桁弾。その甲斐が手にしていたのは楽天浅村から球宴時に授かったバットだ。自身が使用していたバットより50グラムほど軽い830グラムの代物。「軽いけど飛ぶよ」と言われ手にした瞬間、悟った。「空振りが取れたと思っても、いきなりバットが出てくる理由は、これか」。敵ながら尊敬する打者の“相棒”を試合でも使い始めた。

 新たな「勲章」を手にしながら、試合後の表情は硬かった。「10本目というのはうれしいけど、勝たないといけないので…」。マスクをかぶる中で、反省点もあった。

 1-1の7回。無死一塁のフルカウントから相手がバスターエンドランを仕掛けてきた。打者柿沼が空振りすると、捕球した甲斐はすぐさま二塁へ送球。味方のベースカバーが遅れたこともあり、ボールは転々とし走者は三塁に進んだ(記録は甲斐の失策)。高橋礼が投じた続く中村奨への初球がワンバウンドの暴投となり、勝ち越し点を献上。10回に荻野の盗塁を阻むシーンもあったが「防げるところは、防がないといけない」と言葉を絞り出した。

 今や球界を代表する捕手となったが、攻守でレベルアップを求める日々が続く。時間を惜しむ男が、漏らしたことがある。「いろいろ(捕手として)やらなければいけないことを考えてしまう。打撃練習をしていてもふと思い浮かんでしまう。“精神と時の部屋”があればいい」。人気漫画「ドラゴンボール」に登場する「精神と時の部屋」は、時間の流れが外界と異なり、外界での1日が1年に相当する設定だ。だが、現実では時間は待ってくれない。残り40試合。一時も無駄にすることなく戦い続ける。 (鎌田真一郎)

◆通算でも唯一2桁

 10年育成ドラフト6位の甲斐が初のシーズン10本塁打。育成ドラフト入団で本塁打を放った選手は過去に10人以上いるがシーズン2桁は甲斐が初めてだ。通算本塁打数も唯一2桁に乗せている。ソフトバンクの捕手でシーズン2桁本塁打は09年に26本を放った田上秀則以来となった。

PR

PR

注目のテーマ