相原ジャパンの「忍者バレー」とは 世界ジュニア選手権初V

西日本スポーツ

■東九州龍谷高前監督

 7月にメキシコで行われたバレーボール女子の世界ジュニア選手権でU-20(20歳以下)日本代表が初優勝を飾った。ポスト東京五輪の主力候補と目される若手世代の快挙は“お家芸”復活への期待感をふくらませる。今春就任した相原昇監督(51)=大分・東九州龍谷高前監督=はスタメンを固定する一方、展開に応じて入れ替えるなど毎試合で全12選手を起用して一体感をつくり出した。世界の強豪国を相手にしての8戦全勝という成績は、国際大会での課題といわれてきた高さやパワー不足を全員バレーで克服した成果だった。 (西口憲一)

■強豪国相手に8戦全勝

 優勝を決めた後、現地の宿舎に戻ったU-20日本代表はブラジルの監督やスタッフに祝福された。「素晴らしい、誇らしいとたたえられた」。1次リーグで3-0で完勝したバレー王国からの賛辞に、相原監督は「われわれの合言葉は『世界一』ではなく『地球一』だった。選手やスタッフの頑張りが報われたのが一番の喜び」と振り返った。

 イタリアとの決勝は0-2からの逆転勝利。2次リーグのトルコ戦、準決勝のロシア戦に続く今大会3回目のフルセットを制した。リベロを除く先発6人の平均身長は174・5センチ。逆に対戦チームはほとんどが190センチ前後だったという。「背が低くても勝機はある。まずは何をやってくるか分からない、と相手に思わせることが大切」と相原監督は言い切る。

 変幻自在なポジショニングに、多彩なフェイント…。「私は『忍者バレー』と呼んでいる。ラリー勝負に持ち込めば、日本は負けない」。相原監督がポイントに挙げたベストディグ(相手のアタックをレシーブして防御した回数)とベストセッター(攻撃に相手ブロックがつけなかったトスの本数)は1位。曽我啓菜(NEC)と石川真佑(東レ)の両アタッカーは身長がともに170センチ台前半ながら、決定率でそれぞれ1位と2位に輝いた。サーブで崩し、しっかり守ってトスを上げる“前提”を粘り強くやり抜いたからこそ、目指すバレーを大舞台で体現できた。

 起用法に関しての特徴は二つある。相原監督は全8試合、不動の先発メンバーで臨んだ一方で、全選手を毎試合コートに送り込んだ。「大会を通してスタメンを固めたのは日の丸を背負う責任感を持たせるため。全選手の起用は12人の能力を最大限に生かすため」。五輪は来夏の東京大会以降も続く。2024年パリ大会、そして28年ロサンゼルス大会への希望をふくらませる「地球一」となった。

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 日本バレーボール協会の鳥羽賢二ハイパフォーマンス事業本部長(U-20日本代表団長)「日本バレーの原点を思い起こさせる、勇敢な戦いぶりだった。相原監督のファイティングポーズが選手に乗り移り、全員バレーで勝ち取った世界一。試合後の対戦チームのわれわれに対するリスペクトが何よりの証しだ」

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