熊工 令和初サヨナラ弾 延長12回山口決めた

西日本スポーツ

 ◆全国高校野球選手権1回戦:熊本工3x-2山梨学院【延長12回】(10日・甲子園)

 6年ぶり出場の熊本工がサヨナラ勝ちした。延長12回1死、7番山口環生(3年)がバックスクリーンへ飛び込むサヨナラ本塁打。6回から救援した2年生の村上仁将は7イニングを無失点に抑える好投で劇的な白星を演出した。就任1年目の田島圭介監督は甲子園初勝利。熊本工は夏の甲子園初出場で準決勝に進んだ1932年以来、選手権通算30勝となった。

■地方大会は背番13

 本塁に帰ると仲間の笑顔が待っていた。両手を上げて歓喜の輪に入ったヒーローは全員の手でもみくちゃに。熊本工が刻んだ令和初勝利。7番山口のサヨナラアーチが運んだ。「もう…うれしいです。後ろにつなごうという気持ちだった」。感激で言葉が震えた。

 タイブレークもちらついた。2-2で迎えた12回裏1死走者なし。初球の直球を「感触が全くなかった」と真芯で捉えた。高校通算本塁打は6本目。1年生大会以来の公式戦2号で、チームを救った。その打席まで1三振を含む4打数無安打。「ミスショットが多かったので、いつかはいい当たりが出ると思っていた」。相手の先発左腕に対し、熊本工のスタメンには7人の左打者が並び、右打者は6番青山典勢(3年)と山口だけ。「左投手を打つのは自信がある」。その強い気持ちを甲子園で令和初となるサヨナラ弾へとつなげた。

 夏の熊本大会では背番号13。もともと長打力があり春の熊本大会までは3を背負っていたが、打撃不振でRKK旗大会では2年生に渡した。「悔しくて、がむしゃらに野球に没頭した」。学校での練習を終え、午後9時すぎに熊本県宇土市の自宅に帰ると毎日バットを振った。

 自宅には父の康二さんが作ってくれた打撃用のネットがある。時には父にトスを上げてもらい、ひたすら振り込んだ。熊本大会の全5試合で打率3割6分8厘の活躍が認められ甲子園で背番号3を取り返した。「うれしかったけど責任も感じた」とその重みを感じている。

■次戦は関東第一と

 熊本工としては初出場の1932年以来、「打撃の神様」川上哲治氏ら数々の大先輩が夏の甲子園で積み上げてきた勝利は30となった。新時代の1勝目をつかんだのは「秀岳館を倒して甲子園に行く」と熊本工に入学した山口ら、21世紀生まれのナインだ。「今日の試合みたいに粘れば次もチャンスができる」と山口は次の関東第一戦をにらむ。時代は変わっても、勝利を追う気持ちは変わらない。 (前田泰子)

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