王会長も「びっくり」ソフトバンク・コラス衝撃デビュー弾

西日本スポーツ

2回無死、初打席の初球を右中間テラス席に運ぶ本塁打を放つコラス 拡大

2回無死、初打席の初球を右中間テラス席に運ぶ本塁打を放つコラス

大活躍のキューバ勢

 ◆ソフトバンク5―4西武(18日・ヤフオクドーム)

 主砲離脱のピンチに衝撃の新星が登場だ。6月に支配下入りしたオスカー・コラス外野手(20)が来日初出場初打席で1号。キューバ出身の先輩デスパイネが負傷抹消されて巡ってきたチャンスを生かし、球団初の初球打ちデビュー弾を達成した。コラスに刺激されて逆転勝ちしたソフトバンクは2位西武と再び5ゲーム差。19日も直接対決で勝てば、20日にも優勝マジックが点灯する。

■デスパ助言生きた

 ホークス史上初の衝撃デビューだ。1点リードの2回。この日初めて出場選手登録され、7番右翼で即スタメンのコラスが初打席で驚きの一発を披露した。十亀の初球、外寄り変化球を豪快に強振。ぐんぐん伸びた打球は右翼テラス席に吸い込まれた。「1軍の1打席目で、1球目でホームラン。いい気持ちです」。20歳の新鋭は初々しく笑みをはじけさせた。

 一塁ベースを回りながら左手でド派手なガッツポーズ。大歓声に包まれて気持ちよさそうにベースを一周したが、ベンチに戻ると出迎えがない。初本塁打を放った選手らに対しわざと無視した態度を取り、その後手荒い祝福をする「サイレントトリートメント」だった。一瞬の間の後、すぐさまナインにもみくちゃにされ「みんな座っていて、いきなり立った。初めてだったからびっくりした」とここでも初々しく笑った。

 晴れ舞台で何度も見せた笑顔は、苦しい時期を乗り越えたからこそだった。2015年のU-18(18歳以下)ワールドカップにキューバ代表で出場し、投手登録ながら4番で活躍。17年5月に来日した際は投打二刀流でも話題を呼んだが、1年目はほぼ3軍だった。野手に専念した18年も2軍で打率2割1分2厘。結果を出せず、悔しさのあまり試合後に仲間の前で涙を流したこともあった。

 日本の環境にも順応できなかった。「キューバに帰りたい」とホームシックから何度も口にした。オフに帰国してリフレッシュしても、再来日するとまたふさぎ込んだ。寮の食事も食べられず、同じ育成選手で面倒を見ていた樋越らがピザやハンバーガーを買ってきたこともあった。そんな周囲の優しさが10代だった少年の支えになった。「アリガトウ」。覚えたての日本語で口にしたお礼とともに胃袋を満たし、バットを握り、懸命に振った。

 今年3月にヴィヴィアナ夫人が来日したことで精神的にも安定し、大きな成長を遂げた。6月に支配下入り。2軍では56試合で打率3割8厘、9本塁打、41打点と堂々の成績を残している。デスパイネの負傷抹消に伴う初昇格。試合前にはそのデスパイネに「『2軍と違い、1軍はストライクゾーンに投げてくる。どんどん振っていけ』と言われた」とアドバイスをもらったという。母国の大先輩の力強いサポートも快挙のアーチにつながった。

 工藤監督は「よく打ってくれた。初対戦の投手ばかりの中、直球にも変化球にも対応できるスイングをしていた」と評価した。逆転勝ちのチームは再び西武と5差。V奪回へ突き進む中で、またしてもキューバ出身のヒーローが誕生した。 (山田孝人)

 ◆王球団会長「びっくりするよね。あんな力を持っているんだな。初めてなんじゃないかな、初打席の初球ホームランっていうのは。あれでぐっと流れを引き込んだ。昨日の負けを帳消しにできたよね」

■球団外国人3人目

 ソフトバンクのコラスが初打席初本塁打。初打席初本塁打は18年村上(ヤクルト)以来でプロ野球65人目。球団では95年ミッチェル以来5人目、外国人は3人目。初打席初球本塁打はプロ野球9人目で球団では初めてだ。育成選手で入団した打者の初打席初本塁打は17年バティスタ(広島)、18年マルティネス(巨人)に続き3人目。

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