「ベンチサイド」とベンチの距離は/ヤフオクD観戦ガイド
2019年シーズン現在、ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームには30超の席種がある。どの席で見るべきか? チケットを確保するには? 西日本スポーツ読者の観戦の一助にと、球団の協力を得つつ、忖度しないで座席をレビューする。今季新設された「ベンチサイドシート」に座ってみた。
※各項目は5点満点
快適さ ★★★
一律「内野S指定席」だったエリアが細分化され、本塁寄り前方の席を高付加価値シートとしてリニューアルした格好だ。
背もたれと座面にクッションが施されている。座り心地は普通の内野席と比べるべくもない。ただ普通の席より背もたれが約8センチ高いメリットは、あるのだろうが、あまりハッキリとは実感できなかった。
空席が多くないため、人の出入りのたび頻繁に立ち座りしなければならない不便さを感じた。前方席との間隔や、基本的に横1列8席が並ぶレイアウトは普通の席と変わらない。
後方の「コンフォートシート」では横1列6席ごとに動線を設ける工夫をしている。席数を減らさなくとも、そうした区画整理が欲しいところだ。
また前述の背もたれの高さが「横が埋まっていても前後列が空席だったときに席をまたいで移動できることがある」という選択肢を難しくしている。いろいろ惜しいところで★★★★をつけづらくなった。
観戦体験 ★★★~★★★★
「ベンチサイド」の語感から「ベンチの上辺り」を連想していた私は安直なのだろう。座ってみると、なるほどベンチサイド。ベンチの真上は〈みずほ〉プレミアムシートSSのエリアであって、ここはカメラ席や、コカ・コーラシートの後ろにある。
前方の内野席なので、基本的にグラウンド方向の視界はネットに引っかかる。グラウンドに近いだけあって臨場感はなかなかだが、一口に「ベンチサイドシート」といっても前後に最大18列。最前列から最後列までピンキリなのは致し方ない。
打球の危険度 ★★★
球団の統計上こうしたが、ライナーが飛んでくる可能性はあまり高くないので★★寄りといったところ。フライに気をつけたい。球場係員のホイッスルが聞こえてからでも対処する時間はある。
価格 ★★★
変動制で5000~7500円。内野S指定席にプラス1000円だ。似た価格帯には一塁側上方の「コンフォートシート」や、三塁側の「AUTOWAY RECAROスタジアムシート」がある。
レア度 ★★★
平日は空席もあり、土日祝日や「鷹の祭典」のようなイベント開催日は完売が多い。チケットの一般発売は「試合開催月の2カ月前の第4日曜日、午前10時」。
総評
「ベンチサイド」の響きは魅力的だが、ハードルを上げすぎると拍子抜けするかもしれない。「クッション付きの内野S指定席で前方確約」ぐらいに考えると良い。それに1000円払うかは価値観によるが、プチぜいたくの範囲内か。
※読者の方のヤフオクドームでの試合観戦中の事故、また試合観戦に関係するその他のトラブルについて、西日本新聞社では一切の責任を負いかねます。