小さな体で「3倍努力」した最強女王【柔道・素根輝の素顔】

西日本スポーツ

 柔道女子78キロ超級の素根輝(環太平洋大1年)は19歳ながら、紛れもない“現役国内最強女子”だ。今年4月に全日本選抜体重別選手権を3連覇し、体重無差別の全日本女子選手権も2連覇。昨年の世界選手権を制した朝比奈沙羅(パーク24)とともに今年の同選手権(8~9月、東京)代表に選ばれた。「3倍努力」を座右の銘に日々進化するまな娘は父・行雄(57)が育て上げ、母・美香(52)がサポートしてきた。両親から見た素顔とは-。(末継智章)(文中敬称略)

■一本背負いだけで3位

 輝が柔道を始めたのは小学1年の夏。4歳上の長兄勝と、2歳上で双子の大誠、健誠が通う福岡県久留米市の道場についていくようになった。父の行雄も柔道経験者。同じ世界に入るのは自然な流れだったが、行雄は当初、ちゅうちょしていた。

 行雄「何をしてもいいから輝いてほしいと願って名付けた子。女の子やけん、絶対に柔道をさせたいなという感じではなかった」

 輝の柔道熱を点火させたのはデビュー約3カ月後に出た大会での敗戦だ。1回戦で自分より小さな子に攻め込まれ、顔を打って傷だらけになった末に判定負けした。

 行雄「まだ何も技を教えていなかったけど、負けて悔しそう。頑張ろうという意味で、一本背負いを教えた。そうしたら、北九州市で行われた西日本少年大会(個人戦女子小学1年の部)で3位。一本背負いだけで勝ち上がった」

 一本背負いを教えたのには理由がある。行雄は169センチで、美香は154センチ。保育園に通っていたときは頭一つ抜けていたとはいえ、輝も背が伸びるとは思えなかった。

 行雄「将来は軽量級になる。だから担ぎ技が必要になると。背負い投げや体落としも教えた。だけど、ほとんど一本背負いだけで勝った」

 才能を見いだした行雄は輝が小学2年になると、経営する美容店の一室に打ち込みができるトレーニング場をつくり、週3日の道場の稽古がない日も子どもたちを指導するようにした。

 美香「柔道一本に、ということで、通っていたスイミングスクールもやめた。毎日結ぶのは大変ということで、長かった髪が短くなった」

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