川崎宗則、台湾球界入りの背景 現地はこう見ている

西日本スポーツ

台湾プロ野球・味全の川崎の姿を追う報道陣=17日 拡大

台湾プロ野球・味全の川崎の姿を追う報道陣=17日

笑顔の川崎 台湾の地図

 元プロ野球ソフトバンクで、台湾プロ野球(CPBL)の味全入りした川崎宗則内野手兼客員コーチ(38)が台湾・斗六で今月キャンプインした。日米の両球界で活躍し、昨年3月に体調不良でソフトバンクを退団。その後、約1年半の空白をへて、コーチ兼任で現役復帰した。CPBLを脱退していた味全は20年ぶりに復帰したところ。川崎の台湾球界入りの背景や、現地の「視線」を追った。 (取材・構成=森淳)

 強い日差しと時折スコールが降り注ぐ。台北から南へ車で3時間弱の距離にある街・斗六で「味全の川崎」が始動した。新チームとして動きだした味全は7月のドラフトで大量32人を指名。このほか主将の林旺衛外野手(31)のように他球団を戦力外となり加わった選手も-という編成だ。

 呉徳威ゼネラルマネジャー(43)は川崎の存在意義を「新しく若いチームに、動いて見せられる先輩がいない。手本を示してもらい、文化をつくりたい」と説く。中国の電子商取引最大手アリババグループの現地法人など、多くのIT企業を手がけてきた実業家。野球好きも高じて味全復活を主導した。

 台湾球界には長く八百長問題が影を落としてきた。リーグ発足当初からの球団、味全も渦中で1999年に解散。人気低迷後も野球賭博は続き、チーム数も4球団まで減少。ついに政府が介入し、八百長の呼び水とされた選手待遇の改善を図った。その後、台湾代表の活躍もあり人気は再燃。近年はエクスパンション(球団数の拡張)の可能性が取りざたされていた。

 復活とはいえ新規参入となる味全は、規定で来季は2軍だけ。1軍には2021年から参入できる。川崎は「来年は2軍。それでもやれるのかって聞かれて、ぜひやらせてくれ、と」と球団とのやりとりを明かしている。「これからつくり上げていくけど歴史あるチーム。ちょうど今の僕のタイミングとマッチした」と言う。

 プレー機会を模索した川崎サイドは他球団とも接触している。台湾は1球団60人が選手数の上限。40人にも満たない味全は、川崎の選手登録に慎重にならなくてよい事情もあった。

 台湾出身選手も多い日本プロ野球への関心は高く、特に近年は陽岱鋼(巨人)の存在が大きい。陽の日本ハム時代から恒例化したパ・リーグの中継は、王柏融が日本ハムに加入した今年から21年までの3年契約が更新されている。

 同じ理由で、米大リーグも人気だ。代表格の王建民とブルージェイズで川崎は同僚。その点も注目されており、多様なファン層に“刺さる”要素がある。

 現地メディアは「実績十分。話術もすばらしい」と好意的な一方で「ベテランでブランクもある。選手で結果を残せるか」と懐疑的な目もある。ただ熱気は確かで、13年に米大リーグのレッドソックスなどで活躍したマニー・ラミレスが台湾球界入りした際以来の盛り上がりという声もあった。

 獲得を見送った経緯を報じられた統一には、ファンから批判も巻き起こったほど。味全は既に川崎グッズを発売。台湾で外国人の1軍出場枠は3人、契約期間は3カ月程度と短いことが多い。途中での契約解除も珍しくなく「こんなに早くグッズが作られる助っ人がいたか」と報道陣も驚く。

 CPBLからは「日台野球の懸け橋になれる選手」との期待の声も聞こえてくる。ともあれ「目いっぱい台湾の野球を楽しもう」と言う川崎。国外チームとの交流試合や年末のアジア・ウインターリーグもへて、新たな道は続いていく。

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