丸山初の頂点 一二三戦の負傷乗り越え得たもの 柔道世界選手権

西日本スポーツ

 ◆柔道世界選手権(26日・日本武道館)

 男子66キロ級で初出場の丸山城志郎(ミキハウス)が頂点に立った。左手親指は疲労でつり、右膝も試合中に痛めた。ライバル阿部一二三(日体大)との準決勝。満身創痍(そうい)の丸山が不屈の闘志を見せた。「膝から下の力が入らなかったが、勝負の世界は勝ってなんぼ。どういう状況でも勝ちきる強い意志を持って闘った」

 5千人超の声援を力に変え、ゴールデンスコア方式の延長戦に浮き腰で技ありを奪って勝利。痛み止めの薬を飲み、注射も打って臨んだ金琳煥(韓国)との決勝も内股と腰車で投げて合わせ技で一本勝ちを収めて右の拳を突き上げた。

 もうチャンスを逃したくないという意地がある。2014年に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、16年のリオデジャネイロ五輪を断念。約1年半も試合から遠ざかると、その間に阿部一が台頭し「悔しかった」。東京五輪代表争いも昨夏のジャカルタ・アジア大会決勝で敗れて一時は阿部一に大きな差をつけられたが、失意の中で取り戻したのは最後の1秒まで攻め切る姿勢。昨年11月のグランドスラム(GS)大阪大会から阿部一に3連勝し、公式戦の連勝も23に伸ばして代表争いでリードした。

 右膝は「内側靱帯を痛めた」と言う。山下泰裕や斉藤仁、古賀稔彦…。偉大な柔道家たちも不屈の闘志で大けがを乗り越えて五輪金メダルをつかんだ。「今後の柔道人生が良い方向に進む勝利だと思う」。五輪へと進む闘志に自信も加わった不屈の26歳の勢いは誰にも止められない。(末継智章)

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