「かわいいね」から「レジェンド」へ 阿部詩の進化 柔道世界選手権

西日本スポーツ

 ◆柔道世界選手権(26日・日本武道館)

 女子52キロ級で阿部詩(日体大)が2連覇を飾った。来夏のヒロイン候補が、五輪と同じ会場でまばゆい輝きを放った。19歳の阿部詩が連覇を達成。決勝はリオデジャネイロ五輪銅のクジュティナにありったけの力をぶつけた。「残った体力はあまりない。最後は袖釣り込み腰で決めようと決めて臨んだ」。開始30秒、一番の得意技をこの日初めてさく裂させた。

 最大のヤマ場は準決勝だった。初対戦のリオ五輪覇者、ケルメンディと7分15秒の激闘の末に一本勝ち。左の釣り手で背中をつかんで圧力をかける相手に苦しんだが、最後は一瞬の隙をついて寝技に持ち込んだ。

 初めて組み合ったのは高校1年だった2017年の国際合宿。「『かわいいね』という感じだった。なめられていた」。利き手と逆の右組みで完全に遊ばれた。その差は2年で急速に縮まり、立場は逆転。ケルメンディからは「最大のライバルと念頭に置いている。彼女はレジェンド」と敬意の言葉を贈られた。

 東京五輪の代表争いでも、ライバルとの差をさらに広げた。だが、喜びは少し控えめだ。「お兄ちゃんが優勝しなくて、少し悔しい」。復活を期す兄の一二三とともに、進化の歩みを止めない。(伊藤瀬里加)

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