大野、無敵のオール一本勝ち 井上監督「隙がない」

西日本スポーツ

 柔道の世界選手権第3日は27日、東京・日本武道館で男女計2階級が行われ、2016年リオデジャネイロ五輪王者で男子73キロ級の大野将平(旭化成)が初戦の2回戦から6試合連続一本勝ちで3大会ぶり3度目の優勝を飾った。15年大会以来の出場となった大野は得意の大外刈りなどで勝ち進み、リオ五輪決勝と同じ顔合わせの決勝でルスタム・オルジョフ(アゼルバイジャン)を内股で破った。 

 オルジョフとの決勝で内股を決めても、汗さえ流れなかった。4年ぶりの世界選手権で、リオ五輪でも果たせなかったオール一本勝ち。73キロ級、大野自ら「必殺技」と称する内股と大外刈りを誰も止められない。「簡単ではなかったが『大野は勝つだろう』という周りからの甘い誘惑に打ち勝てた。周りの期待を超えられた」と貫禄たっぷりの王者は表情を崩さなかった。

 天理大の後輩で一緒に稽古をしている丸山城志郎(ミキハウス)が、26日の男子66キロ級で左膝負傷のアクシデントを乗り越えて初優勝。大野は「(丸山は)執念を持った闘いをした。先輩が情けない闘いをするわけにはいかない」という自負もあった。

 準決勝では技ありを2度取り消される不運に見舞われ「逆転負けのパターンだ、と心の中で実況した」と動揺したが、顔に出さない。ともえ投げで技ありを奪い、そのまま抑え込んで文句なしの勝利。今大会の内容を「階級と同じ73点」と自己採点した大野に対し、男子日本代表の井上康生監督は「正直圧巻で隙がなく、リオ五輪以上の強さが身についていた。計り知れない」と称賛した。

 1度目の集大成というリオ五輪後、約1年休養。復帰すると「他の選手より一つ上のステージで闘う」と、昨秋に現地でモンゴル相撲を体験するなど柔道以外にも目を向けた。東京五輪後は体重無差別の闘いも含め、さらなる強さを求める野心がある。悔いなく挑戦するため「2度目の集大成」という東京五輪での連覇をノルマに課す。「難しさは自分がよく知っている。敵は自分。勝ったからこそ引き締め直す」と笑顔一つ見せない王者に隙は見当たらない。

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