ラグビーW杯代表入り具智元「日韓両方から応援される存在に」
日本ラグビー協会は29日、9月20日に開幕するワールドカップ(W杯)日本大会に臨む日本代表メンバー31人を発表した。九州ゆかりの選手は2大会連続出場となる福岡高出身のWTB福岡堅樹(26)=パナソニック、初出場となる大分・日本文理大付高出身のプロップ具智元(グ・ジウォン)(25)=ホンダ、熊本・荒尾高(現岱志高)出身のSH流大(26)=サントリー、鹿児島実高出身のCTB中村亮土(28)=同=ら7人。史上初の8強入りを狙うチームで、それぞれが重要な役割を担う。
韓国生まれの具にとって、桜のジャージーでW杯に出ることは「ラグビーをするため、日本に来たときからの一番の夢」だと言う。プロップ一筋、チーム最重量の体重122キロ。スクワットで250キロを上げる“怪獣”だが、愛嬌(あいきょう)のある顔には笑みが絶えなかった。
父・東春さん(55)も韓国代表の名プロップだったが、韓国はラグビーが盛んでない。より良い競技環境のためと、中3で大分留学に送り出されて以来、2歳上の兄・智允(27)=ホンダ=と日本で汗してきた。
日本文理大付高で全国大会に縁はなかったが、当時から将来を期待された。拓大4年時の2016年からスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズ入り。17年に代表入りし現在に至る。
強化合宿打ち上げの28日、代表入りの通知に、シャワーも浴びず無料通信アプリ「カカオトーク」で韓国にいる家族に報告した。見果てぬW杯の夢に父は「いい経験をして学び、けがしないよう頑張って」と喜んだ。
宮崎合宿中の今年7月に右手甲を骨折した。バル・アサエリ愛(パナソニック)、木津らとの競争が激しいだけに焦りもあったが、体力と下半身の強化に専心し「高校の時からやっていたように坂道を走ったりした」と言う。
■母国の仲間からエール
高校時代は放課後、大分県佐伯市の学校裏の山で約1時間、走り込んだ。頂上の公園から海と造船所を望んだ原風景。当時、兄と学校から徒歩で往復1時間をかけて、ラーメン店に通った。その豚骨ラーメンと、韓国鍋カムジャタンが大好物の双璧をなす。
メンバー発表後、韓国の友人、先輩後輩からも続々と「応援している。最後まで頑張って」とメッセージが届いた。だから日韓関係の悪化は「全く実感がない」と言う。さらに「W杯で活躍し(日韓)両方から応援される存在になりたい」と続けた。
だからこそ目標は「ベスト8以上」。右手甲の骨折はほぼ治った。父にたたき込まれたのは、膝が地面に着くほど低い姿勢でのスクラム。「どこも日本をスクラムで押しに来ると思う。押し返したい」とその日を待つ。 (森 淳)






























