ソフトバンク甲斐先制V打 バットでもエース支えた 「最高の顔見れた」

西日本スポーツ

ノーヒットノーランを達成し、肩を組む千賀と甲斐のバッテリー 拡大

ノーヒットノーランを達成し、肩を組む千賀と甲斐のバッテリー

5回1死二、三塁、先制の中前打を放つ甲斐

 ◆ソフトバンク2―0ロッテ(6日・ヤフオクドーム)

 甲斐の目は潤んでいた。偉業を達成した千賀と上がったお立ち台。「ゲームセットになった瞬間に今までのことを思い出した。(千賀とは)育成で一緒に(ホークスに)入って、汗水流して頑張ってきた。いろいろと考えさせられるものがあった」。苦楽を共にした日々を振り返り、感慨にふけった。

 3連敗を喫していた千賀に対して甲斐は申し訳なさを覚えていた。「ここ数試合は(千賀の)苦しい表情を見てきた。ああいう顔を見ると、キャッチャーとしての責任を感じた」。この日は普段とは違い、ベンチで常に千賀の横に座ってイニング間ごとに言葉を交わした。「きょうはなんとか千賀のいい顔が見たいと思っていた。最高の顔が見られましたね」。試合後、緊張が解けたのかホッとした様子で笑った。

 リードだけでなく、バットでもエースを支えた。0-0の5回1死二、三塁で追い込まれながらも低めのナックルカーブに懸命にバットを伸ばすと、打球は前進してきた中堅手の手前に落ちた。「何とか食らいついていった」。必死さが生んだ先制打は千賀のためだけでなく、自分のための一打でもあった。

 試合前までの直近2試合はベテラン捕手の高谷が先発した。1~5日にかけてチームが4連勝した中で甲斐が先発したのは1試合のみ。今季チームが消化した126試合のうち121試合に出場し、レギュラーの座をつかんだとはいえ、優勝争いまっただ中の大事な試合でマスクをかぶれない-。心中は穏やかではなかった。

 「もちろん悔しかったし、(試合に出られない)不安も怖さもあった」。5日の試合後、自宅に帰ると不安をありのまま妻に漏らした。「親身に話を聞いてもらったことで、少し心が楽になった」。エースの恋女房を立ち直らせた「本物の女房」の存在も、偉業達成に一役買っていた。 (長浜幸治)

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