福岡大出身・宮田瑠星さん ブラジルで野球の楽しさ伝える 昨年から少年たち指導
九州六大学野球からブラジルへ!! 国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊で活動する福岡大野球部出身の宮田瑠星さん(25)が、ブラジル北部のマナウス市で少年野球チーム「マナウスカントリークラブ」を指導している。今月1日には9選手を伴って帰国。日本への渡航資金はクラウドファンディングなどで集めたもので、10日間の滞在期間中に福岡市や故郷の鹿児島県出水市などで国際交流を行う。
宮田さんが指導する「マナウスカントリークラブ」はマナウス市があるアマゾナス州で唯一の少年野球チーム。4歳から中学生まで35人の児童や生徒が所属しており、元ブラジル代表の日系人コーチと2人で指導する。
15歳でオーストラリアの親戚宅を訪れた際に外国に興味を持った宮田さんは、九州六大学野球で活躍した福岡大を2017年春に卒業。「海外で野球を教えたい」と青年海外協力隊に応募し、18年1月に地球の裏側のマナウス市に派遣された。
現地では文化の違いと指導の難しさを痛感した。「ブラジル人はやりたくないことは絶対やらない」。守備でその場に座り込む選手もおり、楽しく教えることに心を砕いた。「自分も考えが変わった。楽しく野球をすることを学んだ」と笑う。
大学まで打ち込んだ野球は楽しいことばかりではなかったが、スポーツは本来は楽しくやるものだと気付かされた。ブラジルには厳しい上下関係もない。「子どもたちは自分を監督とは思っていない。兄弟みたいな感じです」と表情を緩めた。
■クラウドファンディングなどで選手ら渡航費用集める
メンバーの一人でベネズエラ難民のフアン・ダビド君(14)には「日本で野球をやりたい」という夢がある。彼の存在もあり、今回の日本訪問に力を尽くした。「彼を日本に連れて行きたかったし、日系人の子どもたちに自分たちのルーツを見せたかった」と話す。
日本訪問のため、宮田さんは今年4月から始めたクラウドファンディングで約150万円を調達。資金の不足分を集めるために現地の日系企業を回り、故郷の出水市とも交渉。選手の家庭にも援助してもらった結果、計350万円を集めて計画を実現させた。
宮田さんと選手たちはマナウス市から空路で約30時間をかけ、今月1日に福岡に到着。ヤフオクドーム見学ではデスパイネらソフトバンクの選手とも会い、「資金の足しにして」と寄付を受けた。初めて見た打撃マシンでの打撃練習に、選手たちは目を輝かせた。
今回の訪問の終盤には、福岡の中学生との試合も組まれている。アマゾナス州には対戦相手がいないため、選手にとって貴重な経験だ。来年1月に任期を終えて帰国する宮田さんは「将来は高校野球の監督になり、外国人を呼んでインターナショナルなチームをつくりたい」と次の夢を描いている。 (前田泰子)


















