大一番でエース千賀に望むこと/斉藤和巳氏の目

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西日本スポーツ評論家の斉藤和巳氏

 ◆西武4―1ソフトバンク(11日・メットライフドーム)

 ピッチングは投手心理の鏡みたいなものだ。打たれたくない、抑えたい、失点したくないという気持ちは投球の幅となって表れる。

 高橋礼が3点を失った3回、彼の視界が一気に狭まったように映った。悔やまれるのは無死一、三塁での金子侑の一ゴロから三本間での挟殺プレーとなり、結果的に1死二、三塁となったこと。バッテリーとすれば、1死一、二塁で次打者の秋山を迎えたかった。

 1死二、三塁から1点を失ったとしても、2点目は与えたくなかったはず。投げ合うニールの完璧な投球ももちろん頭にあっただろう。秋山に内角への厳しい球を投げようとして死球となり、結果的に傷口を広げた。森にはボール球を使う間もなく痛打された。

 首位の座を明け渡して、迎える12日の試合。先発する千賀の心理はどうだろう。無安打無得点試合は過去のこと。西武の強力打線を相手に、うまくいかないことの方が多いかもしれない。走者をいくら出しても構わない。今季、千賀が最も成長した点は「粘り強さ」だと思っている。「俺の成長を見せてやる」ぐらいの心持ちでちょうどいい。

 せっかく“入っている”気持ちを変に抑制しようとすると投球が窮屈になる。極端な話、泣くなら泣く、笑うなら笑うでいいじゃないか。エースとは、大一番でチームが勝つ確率を高められる投手。自分の感情に従って投げれば、「鏡」にいい結果が映しだされるだろう。 (西日本スポーツ評論家)

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