ソフトバンク79日ぶり首位陥落 工藤監督「明日取り返せばいい」

西日本スポーツ 倉成 孝史

5回2死一塁、今宮の二塁打で本塁を突くが憤死した内川(右) 拡大

5回2死一塁、今宮の二塁打で本塁を突くが憤死した内川(右)

試合前、円陣を組むソフトバンクナイン 11日…メット24回戦(12勝12敗)観衆28574 ソフトバンクのM点灯条件 パ優勝ライン

 ◆西武4―1ソフトバンク(11日・メットライフドーム)

 首位から転落、でも…。天王山2連戦の初戦を落とし、6月25日から守った首位の座を79日ぶりに明け渡した。先発の高橋礼が3点を先制され、打線も1点止まり。試合直前の円陣で工藤公康監督(56)が異例のハッパを掛けたが実らなかった。12日に引き分け以下なら西武にマジックが点灯。だがホークスが勝てば首位に返り咲き、マジック12をともせる。中5日の千賀を、王者の力を信じよう。

■内川本塁憤死 柳田、グラ好機で併殺

 3点を追う9回2死、デスパイネの力のない邪飛が山川のミットに収まった瞬間、左翼席の西武ファンから地鳴りのような大歓声が響いた。反対の一塁側ベンチ。工藤監督がロッカーに戻る全選手をねぎらったが、表情は当然険しい。

 天王山初戦を落とし、6月25日から守ってきた首位から79日ぶりに転落。「まあ、負ければ首位を譲らなきゃいけないんで。また明日取り返せばいい」。メットライフドーム名物の長い階段を上りきると、指揮官は気持ちを切り替えたように前を向いた。12日に勝てば、首位に再浮上してマジック点灯。ただ気合マックスで初戦に臨んだだけに痛すぎる黒星だ。

 プレーボール直前。シートノックを終えた選手らがベンチ前で円陣を組むと、中央に工藤監督が立った。「俺たちはチャレンジャーだ。一つのボールに集中してバカになってやろう。こういう時にバカになって野球をできるか、楽しめるか、それが本当の強いチーム。今日は勝つぞ!」。右膝に両手を突き、指揮官は張りのある声で鼓舞した。

 異例中の異例と言える行動は、この一戦にかける思いの表れだった。工藤監督は2017年の楽天とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでも連敗で迎えた第3戦の試合前、円陣に入って選手に気合を入れた。そこからの3連勝で日本シリーズに進み、2年ぶりの日本一に輝いた。

 大一番を前に、一昨年のCS以来の行動に出たが、皮肉にも攻撃は空回りした。4回までニールにパーフェクトで抑えられた。5回先頭のデスパイネが左中間に33号ソロ。2死から内川が二塁手のグラブをはじく安打で出塁し、続く今宮が右中間二塁打を放ったが、一塁から生還を狙った内川が憤死した。

 続く6回は甲斐と中村晃の安打で1死一、二塁と一発逆転の状況で、頼みの柳田が二ゴロ併殺打。「自分のスイングをできなかった。チームに申し訳ない気持ちです」と唇をかむ。7回無死一塁でもグラシアルが遊ゴロ併殺打。モイネロ、甲斐野をリードされた状況で投入する執念の継投も実らなかった。

 12日はレギュラーシーズン最後の西武戦。勝てばホークス、引き分け以下なら西武にマジックがともる。「明日は勝ちます」。工藤監督は力強い言葉を残し、バスに乗り込んだ。 (倉成孝史)

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