ラグビーW杯 日本代表8強入りの鍵は「2戦目まで」

西日本スポーツ 大窪 正一

 20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会まで残り1週間に迫った。

 世界三大スポーツイベントの一つに数えられるアジア初の楕円(だえん)球の祭典。重圧のかかる日本開催で日本代表は目標のベスト8入りを達成できるのか。1987年の第1回W杯に出場し、2003年の第5回W杯では代表監督も務めたトップチャレンジリーグ、コカ・コーラの向井昭吾監督(57)は、初戦のロシアと2戦目のアイルランドとの対戦が鍵を握るとみる。所属のウィリアム・トゥポウの活躍には太鼓判を押した。

■南ア戦の完敗で世界レベル感じ反省はできた 

 「地獄」とも形容された長期の強化合宿を経て選ばれた日本代表31人。向井監督はチームを指揮する立場の目として、「次のW杯を見据えた若手を含め、新しい選手と経験ある選手がバランスよく選ばれている」と選手構成の印象を語る。

 最後の実戦となった6日の南アフリカ戦は完敗(7-41)。W杯直前の強豪との対戦は、けが人の心配など賛否はあった。結果的にWTB福岡、ナンバー8マフィというチームの主力の2人が負傷したが、代表首脳陣の意図には理解を示す。

 「世界最高レベルはこれぐらい強いんだ、と肌で感じさせて引き締めたかったのでは。自分たちのラグビーの精度を上げていかなければ通用しないという反省はできた。ロシア戦に向けて頑張らなくてはという空気になったはず」と分析する。

 日本は1次リーグA組で開幕戦の20日のロシアを皮切りに、28日にアイルランド、10月5日にサモア、同13日にスコットランドと対戦。向井監督は、初の8強入りをつかみ取るポイントに、初戦のロシアと2戦目のアイルランドを挙げた。

 「(決勝トーナメント進出の行方が)最後のスコットランド戦までもつれると重圧もかかる。選手も故障や疲労でベストメンバーを組めるか分からない。初戦と2戦目が大事。そこで勝てば、間違いなく決勝トーナメントにいく」と予想した。

■外国人相手には裏へのキックが重要になる

 ロシアは世界ランキングでは格下だが、昨年11月のテストマッチでは32-27の辛勝。アイルランドは優勝候補の一角で厳しい戦いが想定される。南ア戦で課題になったキックの攻防を分析され、同じように弱点を突いてくる可能性は高い。

 「外国人は大きい。例えば、欧州の選手が両手を広げて並ぶと、横幅70メートルのグラウンドは10人ぐらいで並べるんじゃないか。グラウンドが狭い」。その点でも相手の裏など空いたスペースへのキックが重要になってくると説明する。

 その空中戦でのキーマンにFB経験者でもある向井監督は187センチ、101キロのトゥポウを挙げた。「ハイボールは強くハンドリングもいい。キック処理にうまく対応し、そこからカウンターができればチャンスはある」と期待した。

 また、強豪撃破へのプラスになるとみるのが日本が「ワンチーム」で過ごした時間。「代表強化に時間を多く割いたのは、スーパーラグビーのジャガーズで強化したアルゼンチン、長期拘束する手法を取るエディー・ジョーンズ率いるイングランド、その次が日本」と一体感が武器になるとみる。

 今季からトップリーグ復帰を目指すコカ・コーラの監督に復帰。「W杯は国を挙げた本気の戦い。そこで戦うには覚悟がいる。一試合一試合全てを懸けて戦う。トゥポウにはその経験を戻ってきた時に伝えてくれれば、一段上がったチームになっていく」。九州から新しい風を巻き起こすためにも、日本の躍進、そしてトゥポウの大活躍を願っている。 (大窪正一)

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