女子マラソン名将満願 五輪代表 最多5人目輩出 武冨監督「責任重い」

西日本新聞

MGCの女子で1位でゴールした前田穂南選手(左)を迎えた天満屋女子陸上部の武冨豊監督=15日午前、東京・明治神宮外苑(撮影・中村太一) 拡大

MGCの女子で1位でゴールした前田穂南選手(左)を迎えた天満屋女子陸上部の武冨豊監督=15日午前、東京・明治神宮外苑(撮影・中村太一)

 15日にあった東京五輪のマラソン日本代表選考レース「グランドチャンピオンシップ」(MGC)の女子で優勝した前田穂南選手(23)を天満屋(岡山市)の武冨豊監督(65)は笑顔で出迎えた。教え子の五輪女子マラソン出場は前田選手で5人目。日本女子の実業団で最多となる。世界と戦う一流選手を育ててきた名将は「地元開催ということで責任の方が大きい」と視線を五輪本番へと向けた。

 佐賀県多久市出身で、多久工高、神戸製鋼で長距離選手として活躍。1992年から指導に携わる天満屋では2000年シドニー大会で7位入賞した山口衛里さんから12年ロンドン大会まで4大会連続で五輪に教え子を送った。それが途切れたのが前回大会。16年リオデジャネイロ五輪は同年3月の選考レースで小原怜選手(29)が1秒差で日本人2位に終わり、その後の選考で代表から漏れた。

 「あと1秒で、という悔しさは小原以上に持っていた」。MGCに向け、成長株の前田選手と小原選手に寄り添って指導。この日は小原選手も3位に入り、代表の有力候補になった。

 練習量と記録の関係性など、実績のある教え子への指導に基づく蓄積は持っているが、過去の経験より、今の選手たちの個性を大切にする。前田選手は高校時代にトラックや駅伝の実績はなかったが、「(気持ちが)ぶれなくて、コツコツ積み重ねられる」と評価。アップダウンの多い芝生のコースでの50キロ走などでじっくりと走り込みをさせ、足腰と持ち味のスタミナをさらに強化した。

 「(東京五輪で)金メダルを取りたい」。武冨監督はレース後、前田選手の力強い誓いを温かいまなざしで聞いていた。「ここからしっかり(強い選手に)つくっていかないと」。その言葉には責任と覚悟が詰まっていた。 (伊藤瀬里加)

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