気になる野手陣の「変な余裕」/柴原洋氏の目

西日本スポーツ

11日の西武戦で9回に三振に倒れた柳田 拡大

11日の西武戦で9回に三振に倒れた柳田

西日本スポーツ評論家の柴原洋氏

 先日の東京五輪マラソン代表選考会に例えるなら、終盤の急な上り坂がまさに今だろう。西武がリードしているのは確かだが、1試合の勝敗で順位は入れ替わる。残り9試合。優勝は手に届くところにある。にもかかわらず、張り詰めた緊張感が特に野手陣から伝わらない。バント失敗や守備のミスなど、集中力の欠如と取られても仕方がない。

 打線で気になる選手を一人挙げるなら柳田だ。グラシアルが好調でも、彼が打たなければ得点力は上がらない。バットが波打ち、アッパー気味になった現状のスイングは数年前の悪かった時期と似ている。打球が上がらないのはボールの上っ面をたたいているからであって、線でなく点で捉えるような打ち方になっている。単発で安打は出ても本来の姿でないのは、本人が一番分かっているだろう。

 故障で休んだ分、取り戻さなければ、という焦りと、イメージ通りに体を使えていないいら立ちが伝わってくる。それでも結果を求められる。歴代の大打者も通ってきた道だ。万全の状態ではなくても、相手バッテリーが最も怖いのは柳田をおいて他にはいない。

 千賀、高橋礼を中4日で起用するプランも浮上しているという。現状の得点力を考えれば、勝てる確率が高い2人にフル回転を強いるのもやむを得ない。これを野手陣はどう受けとめるだろうか。先の西武との直接対決で、千賀の鬼気迫る投球を間近で目に焼き付けたのではないのか。野手陣全体から伝わる「変な余裕」が気になる。 (西日本スポーツ評論家)

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