ラグビーW杯日本代表PR具 スクラム支える巨漢

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

スクラムで日本代表を支えるプロップ具(撮影・冨永豊) 拡大

スクラムで日本代表を支えるプロップ具(撮影・冨永豊)

 日本のスクラムの鍵を握るのは、韓国出身の巨漢だ。183センチの具智元(ホンダ)、122キロは日本代表最重量。自身のセールスポイントを「スクラムの強さと真面目さ」と語り、全身全霊のハードワークを続ける。

 父の東春(ドンチュン)さんは元韓国代表プロップで現役時代は日本のホンダでプレー。具はソウルで生まれ育ち、子どものころから大柄だった体格を生かし、FWを任された。小学6年で本場のニュージーランドにラグビー留学。中学2年で日本に移った。

 日本語と日本の文化を学びながらラグビーに励み、大分・日本文理大付高で才能が花開いた。拓大時代にU-20(20歳以下)日本代表に選出され、2年時の2014年に練習生として日本代表に参加。早くから将来を嘱望されてきた。

 ジョセフ・ヘッドコーチの下では右プロップの主力として順調にキャリアを重ねたが、7月の宮崎合宿で練習中に右手甲を骨折。代表選考のアピールの場となるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)の欠場を余儀なくされた。

 プロップは代表争いの激戦区だった。PNCではトンガ出身のバル・アサエリ愛(パナソニック)、23歳の成長株、木津悠輔(トヨタ自動車)らが猛アピール。その場に立てない状況に焦りが生まれた。そんな不安を和らげ、前向きにしてくれたのは、家族の存在だ。

 父と母が三重県鈴鹿市に拠点のあるホンダに足を運んでくれた。「頑張って落ちるならしょうがない。(最後の)10日間の合宿を頑張れ」。国を背負って戦う思いを知る父の言葉は心に響いた。復帰後の網走合宿で、スクラムの強さをアピール。日本代表に不可欠な存在であることを示した。

 「日本開催が決まってから、ワールドカップ(W杯)出場が夢になった。ラグビー人生で一番の目標」。思い描いた大舞台で、自慢のパワーと愚直さで日本のスクラムを支え、目標へ突き進む。 (伊藤瀬里加)

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