ソフトバンク執念星も西武譲らずM4 復活バンデン「諦めていないよ」

西日本スポーツ 長浜 幸治

6回2死三塁、日本ハム・大田を空振り三振に打ち取り、手をたたくバンデンハーク(撮影・軸丸雅訓) 拡大

6回2死三塁、日本ハム・大田を空振り三振に打ち取り、手をたたくバンデンハーク(撮影・軸丸雅訓)

先発し6回無失点のバンデンハーク バンデンハーク(44)をねぎらう笑顔の工藤監督 バンデンハークの今季登板成績 バンデンハークの年度別成績 今後の日程

 ◆ソフトバンク1-0日本ハム(20日・ヤフオクドーム)

 土壇場で救世主現る!! 右肘の張りから帰ってきたリック・バンデンハーク投手(34)が躍動した。108日ぶりの1軍マウンドで6回を被安打3、8奪三振、無失点の好投。今宮健太内野手(28)がたたき出した虎の子の1点を無失点リレーで守りきり、前夜に続く1点差での執念の勝利だ。サヨナラ勝ちした首位西武はマジック「4」。ソフトバンクは残り6試合。負けられない戦いは続く。

■ピンチで大田斬り

 魂の一球を投げ終えると、鬼の形相で何度もグラブをたたいた。最大のピンチだった1点リードの6回。2死三塁で打席に大田を迎えた。「最後の力を振り絞った」。この日のラストボール、93球目の152キロを外角低めぎりぎりに投げ込み、バットに空を切らせた。

 「この時期にこのマウンドに戻ってこられて本当にうれしい。タフなシーズンを戦い続けるチームメートには脱帽の思いしかないし、自分もその一員になれてよかったよ」

 6月4日の中日戦以来、108日ぶりの1軍マウンドながら、初回から2回にかけて4者連続三振を奪うなど序盤で圧倒した。最速は155キロ。6回被安打3の無失点。大きな2勝目を手にした。

 昨季まで2年連続で2桁勝利を挙げ、今季も先発投手陣の軸の一人として期待されたが、けがに悩まされた。春季キャンプでは腰痛を発症。6月の中日戦後には右肘の張りを訴えた。検査渡米した際は一日も早い復帰を目指し、メスを入れずに保存治療を選択。だが思うように状態が上がらず、苦しんだ。

 復活のきっかけとなったのは、阪神でメッセンジャーら長身外国人右腕を指導してきた久保2軍投手コーチのひと言だった。「日本人みたいな投げ方になっとるな。せっかく大きな体をしているのにもったいない」。周囲から走者を背負った投球が課題と指摘され、モーションの早さを意識しすぎるあまりに体の使い方が小さくなっていた。

 「おもわずハッとさせられたよ」。来日5年目右腕は同コーチと筑後のブルペンで何度も話し合い、フォームを修正。体全体を使ったダイナミックなフォームを取り戻した。

 投手陣の台所事情が苦しい中、相手打線を圧倒できる右腕の復帰はポストシーズンを見据えても大きい。6回を投げ終えたバンデンハークに歩み寄ってねぎらった工藤監督は「負けられない試合で緊張感もあったと思うが、あそこまでよく投げてくれたと思う」とたたえた。

 この日でレギュラーシーズンの2位以上が確定したが、西武がサヨナラ勝ちしたため、ゲーム差は2のまま。バンデンハークはチームの思いを代弁した。「まだまだトップを諦めていないよ」。ネバーギブアップの精神をマウンドで体現する頼れる剛腕が帰ってきた。 (長浜幸治)

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