「打線」として攻めろ/藤原満氏の目
◆ソフトバンク1-8日本ハム(21日・ヤフオクドーム)
ホークスは打線になっていない。シーズンを通して言えることだ。各打者があまりに自分の打撃だけを考えすぎている。調子が良い打者はそれでいいが、悪い人もいる。エース級の投手だとなかなか打てない。
この試合でも序盤の3回までを見ると、投球数は有原の34球に対して、二保は61球。有原に楽に投球させている。遅くとも無安打だったこの時点で「打線」として戦うべきだった。
打線で攻めるとは、各打者が役割を持ってつなぎ、トータルの力で投手を攻略することだ。誰かが打席を外して相手投手のテンポを乱したり、意外なカウントでセーフティーバントを仕掛けてもいい。逆方向への打撃を徹底しても、球種を絞ってもいい。調子が悪くてヒットを打てなくても攻めることができるし、チームとして戦う姿は相手にとって何より嫌なものだ。
続けていれば四死球や失策につながり、得点すると何倍もダメージを与えられる。本塁打が出ないと勝てない、という打線ではいけない。打順を変えるのも大切だが、打線として攻めることはもっと大事だ。ただそれにしても、投手陣が8四球を与えていては野球にならないが。 (西日本スポーツ評論家)