退部、移籍で大転機 木村友香が世界陸上から東京へ

西日本スポーツ 伊藤 瀬里加

世界選手権への意気込みを語る資生堂の木村 拡大

世界選手権への意気込みを語る資生堂の木村

 27日にドーハで開幕する陸上の世界選手権女子5000メートルに、福岡・筑紫女学園高出身の木村友香(資生堂)が初出場する。全国高校駅伝で優勝3回の同校長距離部門出身者では初の同選手権代表。高校時代から注目された才能を開花させた24歳は、東京五輪につなげる快走を目指す。

 福岡で力をつけた天才ランナーが、世界の舞台に初挑戦する。過去に世界選手権の女子5000メートルで入賞した日本人選手は1997年アテネ大会で8位だった弘山晴美のみ。世界のレベルの差が大きい種目の一つで、木村は「まずは決勝に残りたい」と目標を掲げる。

 高校時代に世界ユース選手権で入賞するなど、将来の活躍を渇望されてきた逸材だが、1年前は先が見えない状況だった。所属していた実業団を退部。伸び悩み、思い切って移籍を決断した。ただ、実業団間の移籍には元のチームの許可が必要で、円満退部で新天地に移ることができるか不安に駆られた。

 退部後に訪れたのが、高校時代の3年間を過ごした福岡だった。「今までオフのない生活だったので、今しか休む時はないと割り切った」。約2週間、母校の後輩の練習相手を務めたり、友人と会ったりして過ごした。

 その後は約3カ月間、オーストラリアのクラブチームで練習を重ねた。「羽を伸ばして休んだことが、オーストラリアに行っての集中力につながったのかな」。質の高い走り込みと食事管理を徹底。周囲から「体が絞れた」と言われることが多くなったという。

■来季「14分台に入れるよう」

 4月に加入した資生堂の、自分で練習を組み立てる環境も肌にあった。今季は5000メートルで春先から好記録を連発。6月の日本選手権はラストスパートを制して初優勝を飾った。世界選手権への調整の一環で出場した21日の全日本実業団選手権女子1500メートルで優勝。「自分でも走りに力強さが出てきたと思う。スピードも出しやすくなった」と実感している。

 世界切符を勝ち取り、東京五輪への視界も開けてきた。自己ベストを15分12秒47まで伸ばし、今後は五輪の参加標準記録(15分10秒)の突破を目標に置く。「(ライバルとは)まだどんぐりの背比べ。五輪参加標準記録を確実に切り、来季には14分台に入れるようにしたい」と日本女子では福士加代子(ワコール)しか出していない好記録も視野に入れる。まずは初の世界の舞台で快走し、第一人者の座を確実にする。 (伊藤瀬里加)

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