ソフトバンク牧原、第3捕手 かつてムネリンも

西日本スポーツ 長浜 幸治

 「第3捕手牧原」スタンバイOK! 福岡ソフトバンクの牧原大成内野手(26)が27日、ポストシーズンで有事の際に捕手として出場する準備に入った。首脳陣は10月5日から始まるクライマックスシリーズ(CS)も甲斐、高谷の捕手2人体制で臨む方針。牧原がマスクをかぶったのは高校時代が最後だが、今シーズンは内外野合わせて5ポジションをこなした超ユーティリティープレーヤーが「もしもの備え」としてもチームを支える。

■高校時代以来

 細身の背番号36がマスク、プロテクター、レガースのキャッチャー防具一式を身にまとい、グラウンドに現れた。ヤフオクドームでの全体練習で今季初めて本格的な捕手練習に加わった牧原は、甲斐、高谷とともにワンバウンド捕球やスローイング練習をこなした。マスクを外した牧原の顔には大粒の汗が浮かんだ。「キャッチャーってすごいわ」。思わず本音が漏れた。

 今季は外野の3ポジションと二塁、遊撃をこなした持ち前のセンスで“急造捕手”とは思えない動きを見せた。矢のようなスローイングに高谷が「おーっ」と声を上げたほど。吉鶴バッテリーコーチも「試合になったら分からないけど」と前置きしつつ、「動きは問題ないしスローイングもいい。本当は出番がない方がいいんだろうけど、見てみたいところもある」と高評価。工藤監督も「(防具を)着けた感じは様になっていたかな」とうなずいた。

 CSの“救世主”になりえる存在だ。森ヘッドコーチは「今のところ第3捕手は牧原と考えている」と明言。西武のリーグ2連覇が決まった24日の楽天戦では、ビハインドで迎えた9回のチャンスで高谷に代打が出され、ベンチに捕手登録の選手がいなくなった。試合はそのまま敗れたが、同点もしくは勝ち越していた場合は、牧原が捕手で出場する予定だった。「万が一という意味合いもある。楽天戦で最後にああいう場面があったので、そのためにも練習をしておいた方がいい」。そう明かした工藤監督の采配の幅も広がる。

■「必死にやる」

 中学までは捕手としてプレー。高校時代に練習試合でマスクをかぶったのが最後だという牧原だが、今季2度、ブルペンで投手の球を受けるなど“危機管理”してきた。「どのポジションを守ってもプレッシャーは絶対にある。守りたくないとは言えないし、そのための準備をするだけ」と覚悟を決めている。

 昨季はシーズン終盤に右足首を負傷し、CS、日本シリーズを勝ち上がったチームの歓喜の輪に加わることができず、「悔しさしかなかった」と常々口にしてきた。だからこそ、どんな形でもチームに貢献したいとの思いは強い。「いい経験になる。走攻守で必死にやるしかない」。今やチームに欠かせない存在となった26歳が、2年連続の下克上日本一の鍵を握る。 (長浜幸治)

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近年のホークス「緊急捕手」メモ

 2014年4月2日、救援投手補強のため、甲斐(当時の登録名は拓也)の出場選手登録を抹消し、鶴岡、細川の捕手2人体制に。万が一に備え、首脳陣が外野手の城所と内野手の金子を「第3の捕手」として指名した。4日に高谷が昇格。城所は小学生以来。金子は捕手未経験だったが、ともに出番なしで終わった。

 17年6月10日の阪神戦、4点を追う9回2死二塁。鶴岡に代打が送られ、この時点でベンチに捕手登録の選手はいなくなった。延長突入なら「第4の捕手」としてこの日二塁スタメンの川崎が準備。達川ヘッドコーチの打診に「余裕です」と即答。工藤監督にも、「ぜひいかせてください」と二つ返事。結局、実現しなかったが、サファテとバッテリーを組む可能性もあった。

 18年6月27日、高谷の登録抹消によりチームの捕手が2人に。外野手登録の福田が「第3の捕手」として準備した。小学3年生まで少年野球で捕手を経験したこともあり、内外野をこなす福田が首脳陣の打診を受け入れた。

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