福岡、逆転トライ 日本劇勝、8強見えた!! 世界2位アイルランド撃破

西日本スポーツ 大窪 正一

■急きょベンチ入り

 地鳴りのような歓声が夜空を焦がす。4万8000人の万歳三唱。南アフリカを破った「ブライトンの奇跡」から4年。奇跡の続編を演じた日本が再びまばゆい輝きを放った。過去9戦全敗だったV候補アイルランド撃破だ。

 序盤は相手ペース。ただ先制トライを許しても、二つ目のトライを許しても日本の気持ちは切れない。15人で前へ。世界屈指のFWにもひるまず、タックルとリロードを繰り返しながら、徐々に日本の流れに引き込んでいった。

 途中出場した2人の存在が大きい。3-12の前半30分。負傷したナンバー8マフィに代わってリーチ主将が投入されると一気に士気が上がった。「インパクトを残すことだけ考えた」。鋭いタックルに気迫の突進。仲間を鼓舞し続けた。

 アクシデントも乗り越えた。試合直前、先発予定のトゥポウが負傷でメンバーから外れ、WTBにレメキが先発。右ふくらはぎを痛め、ロシア戦を欠場したWTB福岡堅樹(福岡高出身)が急きょリザーブに入った。日本のエースは9-12の後半9分に登場。同18分、細かくつないだパスを受け、左隅へ飛び込んだ。「自分は最後に置くだけ。素晴らしいラストパスからのトライだった」。逆転トライで勝利を引き寄せた。

■後半に途中出場

 多くの経験を積んだ27歳。6日の南アフリカ戦で負傷しても、前を向くのに時間はかからない。「準備はしていた。100パーセントではないが、試合に出られる状態だった」。切り替える心の強さがある。残り10分を切ると、7点差を追うアイルランドの猛攻を受けた。ここでも福岡が相手のパスをインターセプトして約50メートルを独走。敵陣ゴール目前まで迫った。歴史的勝利後のインタビュー。「たくさんの犠牲の上にこういう結果が出てうれしい。いいプレーをしたときの盛り上がりは最高で、日本のW杯を実感できた」。普段は冷静な福岡も興奮を隠せなかった。

 日本代表初招集は筑波大2年時。23歳でデビューした前回2015年W杯は、日本が唯一敗れたスコットランド戦のみの出場に終わった。「不完全燃焼」。喜びよりも悔しさが残った。

 あれから4年、15人制代表として最後と決めた晴れ舞台に立っている。もう一つの目標、来夏の東京五輪の7人制を区切りに医師を目指す。「まだまだ先はある。これが最後のトライにならないように」。松島に「フェラーリ」と称されるエースの復活で歴史を変える8強入りへ大きく前進した。 (大窪正一)

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