侍・周東、異例選出のワケ 稲葉監督と数奇な縁

西日本スポーツ 長浜 幸治

 侍指揮官、“超速”周東にぞっこん! 福岡ソフトバンクの2年目、周東佑京内野手(23)が1日、11月に開催される国際大会「プレミア12」の日本代表に選出された。開幕直前に支配下登録をされた今季、代走中心ながらリーグ5位の25盗塁。そのスピードを侍の稲葉篤紀監督(47)から非常に高く評価された。2020年東京五輪につながるチームで「スペシャリスト枠」として大きな期待がかかる。

■外野守備でも評価

 都内で会見した稲葉監督の言葉から、今回のメンバー選出の意図がひしひしと伝わった。「試すことができる試合は終わった。呼べなかった選手を除き、視察などを通じて見てきた選手にベテランやスペシャリストを加え、最適なメンバー構成ができた」。その「スペシャリスト」として大抜てきされたのが周東だ。

 目標の東京五輪金メダルに向け、指揮官は「スピード&パワー」を掲げる。「(国際大会では)終盤での1点が大事になる。勝つにはスピードとパワーが必要だ。スピードという点では(周東は)終盤に代走で出て、警戒されている中でスチールができる。二塁ランナーとしてヒット1本で(本塁に)かえってくる。そのスピードが魅力だし、代表でも必要と感じた」。サプライズでの代表入りにも見えるが、稲葉ジャパンが目指す野球の旗印として、タカのスピードスターはうってつけの存在なのだ。

 稲葉監督と周東は、運命でつながっていたのかもしれない。昨年7月に青森県の弘前で開催されたフレッシュオールスター。若手視察のために訪れていた稲葉監督の前で、当時入団1年目で背番号121を背負った周東が躍動した。2安打を放ち、外野守備でも好プレーを連発して優秀選手賞を獲得。指揮官に大きなインパクトを与えた。

 昨秋コロンビアで開かれたU-23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)で、チームを率いた稲葉監督は育成選手の周東を迷わずメンバーに加えた。「U-23W杯では終盤の大事なところで、外野手として三つの補殺を決めた」と信頼を高めた。今回の「プレミア12」に臨む代表を選考したスタッフ会議では、今季代走での出場が多く打率1割台の周東に関して最も議論が白熱したが、稲葉監督が代表入りを強く推したという。

 初の代表トップチーム入りとなった周東の鼻息は荒い。「本当に信じられない気持ちです。チームメートはすごい選手ばかりなので、人見知りする僕としては今から緊張しています。しっかり先輩たちについていきます。出場する機会があれば自分の持ち味を出して、グラウンドを誰よりも速く駆けたいと思います」。自らを高く評価してくれた侍の指揮官に最高の恩返しを誓う。 (長浜幸治)

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