工藤監督攻めの継投ピタリ 高橋純&甲斐野が窮地救った

西日本スポーツ 倉成 孝史

ファンへのあいさつを終え、グラウンドを後にする甲斐野(左)と高橋純(撮影・式町要) 拡大

ファンへのあいさつを終え、グラウンドを後にする甲斐野(左)と高橋純(撮影・式町要)

6回1死一、二塁、楽天・ブラッシュを遊ゴロ併殺に打ち取った高橋純 7回2死三塁、代打フェルナンドを空振り三振に仕留め、ガッツポーズする甲斐野 試合後のインタビューに答える工藤監督

 ◆パ・リーグCSファーストステージ第3戦 ソフトバンク2-1楽天(7日・ヤフオクドーム)

 絶対に負けは許されないからこそ、工藤監督に一切の迷いはなかった。同点の6回。そこまで1失点の好投を見せていた高橋礼が四死球で1死一、二塁のピンチを招くと、指揮官はベンチを立ち上がった。「迷うんだったら、代えた方がいい」。後がなくなった第2戦から攻撃面でも打線を大胆に組み替えたが、継投でも攻めの決断を下した。

 この局面で指揮官がマウンドに送り出したのは、4年目の今季ブレークした高橋純だ。「データも当然あった」。打席の4番ブラッシュに今季対戦で5打数無安打、3三振を奪っていたことも、決断を後押しした。ただ、負ければ終戦という一戦でのピンチ。1軍は今季が実質“1年目”の右腕にとって並大抵の重圧ではない。「低め、低めと思いすぎて、どうしていいか、わからないほどテンパッた」。初球から、3球連続でボール球となった。

 四球なら1死満塁とさらにピンチは拡大、外国人打者だけに安易にストライクを取りにいけば長打を食らうリスクも大きかった。だが、この極限の窮地で「シーズン中にはなかったけどマウンドで開き直れた」。3年目の昨季までくすぶりながら、今季は一気に45試合の登板。自然と自信を身にまとった右腕は、4球目に落ち着いてスライダーでストライクを取ると、5球目に外角直球を投げ込み併殺打で局面を乗り切った。

 続く7回の大ピンチは、ルーキーが火消しした。この回から登板した嘉弥真が先頭銀次の二塁打と犠打で1死三塁とされると、指揮官は迷わず甲斐野へとスイッチ。高橋純と同じく負ければ終戦という状況に「エグいっす…」と、若者らしい表現で極度の重圧を振り返った一方、1年目ながらチームトップの65試合に登板した右腕は「細かいことは考えなかった」と、持ち前のずぶとさを見せた。

 犠飛も許されない場面で、代打ウィーラーを155キロの直球で遊ゴロに仕留めると、続く代打フェルナンドを追い込んでからのフォークで空振り三振に切った。大ピンチを無失点でしのぐと、直後に内川の勝ち越し弾が飛び出し、CS初勝利もマークした。

 故障離脱者が続出した今季は若手投手陣がチームを支えたが、短期決戦でも大きな仕事を果たした。「今日も、1点もやれないところで本当に素晴らしいピッチングをしてくれ、見事だった」と工藤監督の喜びもひとしおだ。2年連続の下克上日本一へ、若き力は絶対に欠かせない。 (倉成孝史)

   ◇    ◇

 倉野投手コーチ(好投した甲斐野について)「(レギュラー)シーズン終盤は自信なさげなそぶりが見えたけど、きのう(6日)抑えられたことが精神的にも大きかった。きょうは三振を取ってくれと送り出した。最高の働きだった」

PR

PR

注目のテーマ