ソフトバンク2勝1敗 工藤神采配支えた試合前の40分

西日本スポーツ

3回ソフトバンク無死二塁、右越え2ランを放ちナインとタッチを交わす中村晃(右)=メットライフドーム(撮影・開出牧) 拡大

3回ソフトバンク無死二塁、右越え2ランを放ちナインとタッチを交わす中村晃(右)=メットライフドーム(撮影・開出牧)

1回2死一、三塁、先制の右前打を放つ中村晃(撮影・冨永豊) 2ランを放った中村晃(7)を迎える工藤監督(左から2人目) 現制度CSファイナルS初戦から2連勝のチーム

 ◆パ・リーグCSファイナルステージ第2戦 西武6-8ソフトバンク(10日・メットライフドーム)

 またも工藤マジックがさえた! 3試合ぶりのスタメンで5番に起用された中村晃外野手(29)が先制打と2ランを放つ大活躍。初戦で松田宣の先発復帰、内川の代打長谷川勇で勝利を呼んだ指揮官の打線改造が再び当たった。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)で連勝のホークスは西武のアドバンテージを含めても2勝1敗でリード。2年連続下克上が見えてきた。なお、あす12日の第4戦は台風接近のため、両リーグとも13日に順延となった。

■黙々と早出特打

 背番号7がついに目覚めた。出場機会のなかった9日のファイナルS第1戦から一転、5番右翼で3試合ぶりにスタメン復帰した中村晃が、今CS初安打となる先制打に1号2ランと大暴れ。チームのファイナルS連勝発進を呼んだ。

 「チャンスで回ってくるだろうな」。予感は当たった。初回、2死一、三塁。「思い切っていくだけ」と今井のスライダーを右前へ。今CS11打席目での初安打は先制打となった。3回無死二塁では今井の初球、内角高めの真っすぐを右翼席に突き刺す。リードを5点に広げる一発にも表情を変えない。

 「そんなに自分の調子が悪いとは思っていなかった。試合に出るかどうかは僕が決めることじゃない」。ファーストSは第1、2戦で無安打。第3戦から先発を外れた。それでも悔しさは胸の内だけにとどめた。

 10日の試合前練習開始の約1時間前、松田宣とともにメットライフドームに隣接する屋内練習場で志願の早出特打。約40分、バットを振った。「普通にバッティングをしていただけ」。見守った立花打撃コーチは、黙々とボールを打ち返す姿にプロ魂を見た。「いろんな経験、つらい思いもしてきた選手。プロだから結果が出なかった時に責任を取るのは自分自身。選手が打ちたいと言うのであれば、僕らはサポートするだけ」。そして先発。「今の状態と(今井との)相性(今季2打数1安打)を考えた」(森ヘッドコーチ)という起用に応えた。

 試練の1年だった。3月初旬に右脇腹を痛めて離脱。後に自律神経失調症の診断を受けたことを公表した。5月末に1軍復帰したが、6月中旬には腰痛で再びリハビリを強いられた。特に悩まされたのは重度の睡眠不足。現在も万全ではない。眠りづらい夜もある。コーヒー好きだが、必ずカフェインレスを飲むようになった。グラウンドで躍動するために、どんなことでも徹底して取り組んだ。

 レギュラーを獲得した2013年以降では最少の出場44試合にとどまり、打率2割4分5厘、3本塁打、11打点。「今年に関しては野球ができているだけでいい、という気持ちもある。もちろん結果が付いてくればよりいいけど」。裏を返せば、それだけ普通にプレーすることが大変だった。だからこそ工藤監督も「素晴らしいの一言。昨日は(先発から)外したけど、すぐに結果を残す集中力が素晴らしい」とたたえる。中村晃の復調が2年連続の下克上日本一へ大きなプラスとなるのは間違いない。 (長浜幸治)

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 王貞治球団会長「とにかく一つ勝つのはしんどいね。両軍とも総力戦。投手も野手も疲れているが、乗り越えるしかない。1勝リード? まだまだだよ」

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