ソフトバンク千賀が予告通りの快投 日本S王手に導いたエースの思考

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

ファンの声援に応える千賀(撮影・軸丸雅訓) 拡大

ファンの声援に応える千賀(撮影・軸丸雅訓)

CS2度2桁Kは楽天・則本昂に並ぶ最多 千賀のCS登板成績

 ◆パ・リーグCSファイナルステージ第3戦 西武0-7ソフトバンク(11日・メットライフドーム)

 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)で3連勝した福岡ソフトバンクが日本シリーズ進出に王手をかけた。第3戦はエース千賀滉大投手(26)が「獅子脅し打線」を圧倒。8回を2安打無失点、10奪三振の快投を見せた。打線は千賀と育成ドラフトで同期の1番牧原がCS初アーチを含む3安打4打点と大活躍。7-0の快勝で、対戦成績を3勝1敗(西武のアドバンテージ1勝含む)とした。台風19号の影響で12日から13日に順延された第4戦で一気に決める。

■ファーストSの雪辱

 予告通りの快投で、日本シリーズ進出に王手をかけた。千賀は「負けていても、1人で8回まで投げる」とチームメートの前で口にしていた。CSファーストSからファイナルS第2戦までモイネロが5試合連続登板、守護神森は前日に「イニングまたぎ」をするなどチームのために身を粉にしていた。「キーマンの2人を休められるようにと思っていた」。有言実行の圧巻の投球だった。

 前夜の第2戦は最大7点差から最後は2点差まで迫られ、“獅子脅し打線”に肝を冷やされた。熱戦から一夜明け、先頭秋山にフォークを右前に運ばれると、メットライフドームが再び沸いた。ここからが真骨頂。2死一、二塁と得点圏に走者を進められたが、外崎を外角フォークで空振り三振に仕留めた。

 「一瞬でも気を抜くとすぐ5、6点入る打線」と序盤から援護をもらいながらもずっと集中していた。4回は無死一塁から外崎、山川に続き、栗山の勝負球ではこの日最速157キロをマークするなどいずれも直球で3者連続、5回先頭のメヒアも含め4者連続して空振り三振を奪った。

■9回は純平締めた

 奪三振率11・33のシーズン歴代最高記録をマークした実力を見せつけて8回を2安打、無失点。9回を高橋純に託したものの10三振を奪い、2016年ファーストS初戦に続くCSで2度の2桁奪三振は楽天則本昂と並ぶ最多記録になった。

 CSファイナルSでの登板を前に「僕は来させてもらった立場」と覚悟を口にした。楽天とのCSファーストS初戦(5日)は、7回で今季ワーストの4本塁打を浴び敗戦投手になった。チームはそこから底力を見せ、第2、3戦は接戦を制し勝ち上がった。

 前回登板の球数は125。中4日でファイナルS第2戦に先発する案もあったが、初戦に勝利したことで第3戦に回った。通常は登板日に向け練習強度を上げていくが、今回は状態をキープすることを優先。登板間のブルペン投球も行わなかった。

 流動的な調整に対応する右腕を、田代1軍コンディショニング担当は「PDCAではなくOODAで対応できる選手。やらされるのではなく、何が必要かを自分で考えられる」と見ている。PDCAは計画→実行→評価→改善のサイクルで改善していく手法だが、観察、情勢判断、意思決定、行動の頭文字からなるOODAループは、米空軍パイロットの意思決定に用いられる理論。目的達成のために最善の方法を現場で自分が決めるため、結果へのアプローチが早くなるとされている。エースはすでに体得しているようだ。

 パ・リーグではCS初の5連勝で、覇者西武を崖っぷちに追い込んだ。3年連続の日本シリーズ進出を決める日は、そう遠くなさそうだ。 (鎌田真一郎)

   ◇    ◇

 王球団会長(好投の千賀について)「最高のピッチングをしてくれたね。シーズン中でもあんまり見たことのない投球だった。見事だ。(9月6日のロッテ戦での)ノーヒットノーランを思い出したよ」

 後藤芳光球団社長兼オーナー代行「(千賀は)志の高さを感じる投球だった。自分の目指しているレベルがすごい。気持ちを切らさず13日に一気にいってほしい」

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