日本初決勝T 4戦全勝1位突破

西日本スポーツ 大窪 正一

 ◆ラグビーワールドカップ(W杯)1次リーグA組 日本28―21スコットランド(13日・日産スタジアム)

 ノーサイドの瞬間、耐え抜いた男たちの歓喜が爆発した。自陣にくぎ付けになりながらも2人がかりの「ダブルタックル」で屈強な巨漢を止め続け、勝ちきった。「最後まで諦めない心で乗り越えられた」。ジョセフHCは前回大会で決勝トーナメント進出を阻まれたスコットランドの壁を破った喜びをかみしめた。

 台風の影響で開催が危ぶまれた。ジョセフHCは試合前、台風で被害を受けた方々のためにも頑張ろうと選手を鼓舞した。運命を懸けたキックオフ。リーチ主将が「勇気を持つことが重要」と誓っていた思いを体現した。SO田村が蹴り上げずにゴロキックを選択する奇襲。リスクを負ってでも攻め抜く覚悟を示し、慌てたスコットランドのノックオンを誘った。

 キックが得意な相手に付き合わず、ボールを保持して素早くつなぐお家芸のプランが成功した。7点を追う前半17分のトライは、飛ばしパスを受けたWTB福岡からのオフロードパスを受けたWTB松島が30メートルを独走して飛び込んだ。

 その8分後、湧き出るようなサポートにオフロードパスを続け、プロップ稲垣が中央へ運んだ。パスを強く意識させると前半終了間際には一転、CTBラファエレが相手防御ラインの裏にゴロパント。意表を突いてWTB福岡のスピードを生かすなど、伝統国を翻弄(ほんろう)した。

 前回大会はボール保持に固執した部分は否めない。戦術の幅が広がったからこそ、柔軟に使い分けることが可能になり、相手に的を絞らせなかった。スクラムでも優位に立ったことで、相手の戦術を狂わせ、メンタルを削った。球際のボール争奪戦でも堂々と渡り合い、力勝負で対抗したからこそ、相手の焦りやミスを誘発することもできた。奇跡や番狂わせとはいえない勝利だった。

 こじ開けた歴史の扉を簡単に閉じるつもりはない。4連勝でつかんだ準々決勝。相手はくしくも南アフリカだ。リーチ主将は「勝つ気で準備する」と4年前の再現で4強入りを誓った。 (大窪正一)

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