ソフトバンク今宮 記録ずくめのMVP、CS初3発にPS初5安打

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆パ・リーグCSファイナルステージ第4戦 西武3―9ソフトバンク(13日・メットライフドーム)

 栄えあるヒーローインタビュー。敵地で歴史に名を刻んだ今宮は笑みを見せた。「いいところで一本、一本打てた。きょう決めたいという気持ちで挑んでいた。レギュラーシーズンの悔しい気持ちを、ぶつけることだけを考えていた」。CSのMVPに選出されて胸を張った。

 崖っぷちの獅子を、完全に突き落とした。3回1死。本田からチームに4試合連続となる先制点をもたらすソロ。1点差の6回1死二塁では松本航の直球を左翼席へ運ぶ2ラン。9回は1死一塁で守護神増田の7球続いた直球をたたき、これも左翼フェンスを越えた。「自分がびっくり」。CS初、日本シリーズを含めればタイ記録の1試合3本塁打だ。

 初回は中前打、7回も中前へと適時打を放った。1試合5安打はポストシーズン初の快挙で1試合6打点はタイ記録。ファイナルSは19打数10安打の打率5割2分6厘で、安打数はパ・リーグトップタイだ。ファイナル前は調子を落としたが、初戦前の早出特打が復調につながった。「あの時間がすごく良かった。日に日に、いいスイングができた」と首脳陣に感謝した。

 10年目の今季。本多内野守備走塁コーチと、じっくりチームについて話し合う機会があった。そこで、未来を見据えた本多コーチから要請された。「一緒にチームを引っ張ってくれ。キャプテンシーを一層、前面に押し出してくれ」。だが「僕は(打撃で)結果を出していない。言いにくいし、言ったところでどうか」と自信なく返した。

 それでも共に二遊間を担った“盟友”でもある先輩の願いを意気に感じた。積極的にマウンドに寄って声を掛けた。ベテランや若手も関係なく時には厳しい言葉も口にした。その一方で「信頼できる人間にならないと」と自らを厳しく律した。昨季痛めた左太もも裏は万全ではないが、痛みをこらえて常に先頭に立って戦う姿勢を示し、休養を勧める首脳陣に出場を直訴したこともある。

 同時に「結果」に誰よりもこだわった。オフは柳田の調整法なども参考に、ウエートと並行しバットを振り込むことを重視。奏功しレギュラーシーズンは負傷を抱えながらも106試合で、自己最多タイの14本塁打だ。さらに、記録ずくめで3年連続の日本シリーズを導く原動力となった背番号「6」。もう「結果を出していない」男ではない。

 ペナントレースで敗れた西武に敬意を示した上で「2位の悔しさがあった。良かった」と安堵(あんど)した。賞金は「裏方さんらのために」と話し、次の戦いに気持ちを向けた。「初戦を取れるよう」。チームを引っ張る、頼れるMVP男は頂上決戦を見据えた。 (山田孝人)

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