ソフトバンクV弾グラシアル 練習中から分析していた

西日本スポーツ 山田 孝人

 ◆SMBC日本シリーズ2019第1戦 ソフトバンク7-2巨人(19日・ヤフオクドーム)

 ヤフオクドームのムードをグラシアルが一変させた。2回、阿部の先制弾で巨人に流れが傾きかけた直後だ。1死二塁、山口が1ボールから投じた2球目。内角に来た146キロの真っすぐを、腕をたたみながら巧みに捉えて振り切った。打球は左中間のテラス席で弾んだ。価値ある逆転2ラン。興奮を示すように右手で一塁ベンチを指さし、ガッツポーズも繰り出した。

 「少し詰まったけど入ってくれてよかったよ。真っすぐは狙っていた」

 レギュラーシーズンでは10球団から本塁打を放っていた。唯一の不発だった巨人戦でもアーチを架け、今年対戦した全11球団に自慢の打棒をさく裂させた。日本シリーズでは広島と対戦した昨年の第6戦から年またぎの“2戦連発”で、今年はポストシーズンだけで4本目。「体も心もいい状態を保てている」とうなずいた。

 山口はDeNA時代の2014年からソフトバンク戦で4連勝中だった。今年は6月22日に7回まで1点しか取れず敗戦。自身も3打数無安打2三振だっただけに、シリーズ初戦での天敵撃ちの意味は大きい。「いい投手だから、打撃練習中から分析したりイメージしたりしていたんだ」。事前の入念な準備が大舞台での決勝弾につながった。

 縁あって福岡に居を構えて2年目。思い入れも強くなり、「FUKUOKA CITY」と記された帽子を好んでかぶり、家族の来日中は疲れていても必ず出かけるという。「バッティングセンターに家族で出かけたこともあるよ。とても楽しかった。子どもたちが遊べる環境が多いよね。本当に福岡を気に入っているんだ」。公園を散策したり祭りに顔を出したり。そんな愛する街のファンが待望してやまない、唯一手にしていない巨人を倒しての日本一へ、大きく弾みをつける一撃となった。

 シーズンを通じ、窮地でチームを救い続ける働きぶり。工藤監督は「みんなが勇気づけられた。よく打ってくれた」とたたえた。それでもグラシアルが余韻に浸ることはない。「相手は強い。あと何勝、などとは考えず目の前の試合に集中するだけだ」。とことん頼れる助っ人がチームをシリーズ3連覇へと誘う。 (山田孝人)

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