走らずして投球を狂わせた周東/秋山幸二氏の目

西日本スポーツ

 ◆SMBC日本シリーズ2019第2戦 ソフトバンク6-3巨人(20日・ヤフオクドーム)

 短期決戦ではキーマンやラッキーボーイの存在が注目される。主軸打者や主戦投手に限らず、流れをつかむために誰を抑え、誰から打てばいいのかを見極めることが重要になるが、今シリーズでは両軍ともまだそれが明確には見えない。その中で第1、2戦を通じて光ったのが周東だ。

 第2戦の出番は7回、相手失策で出塁した先頭デスパイネの代走だった。高橋礼とメルセデスの両先発が好投していずれも得点できない中、巨人はこの回から継投に入った。周東が走ってくることはバッテリーも分かっていたはずだが、結果的に失点した。

 第1戦の代走でスピードを見せていた周東は、走らずとも塁にいるだけで大竹の投球を狂わせた。CSでも好救援していた右腕がいきなり3度けん制を入れるなどして2ボール。ファウル後にまたボールで、5球目のシュートを左前に運んだグラシアルの一打で周東は一気に三塁まで進んだ。

 大竹にしてみれば、打者だけではなく走者もいつも以上に警戒しなければならない状況。いわば同時に2人と対戦しているような感覚だったはずだ。グラシアルの安打も松田宣の先制3ランも、打たせたのは周東だったと言ってもいい。

 球場を東京ドームに移して迎える第3戦。巨人は本拠地で腰を据えて戦えるわけだが、周東はやっかいな存在になるだろう。今のソフトバンクには接戦でも1点取れば一気に畳み掛けるような勢いがある。その1点を持ってくる役割を周東が忠実に果たしている。

 ソフトバンクには研究の成果が見え、坂本勇、丸を止めているのも大きい。連勝で有利になったのは間違いないが、短期決戦はワンプレーで流れが変わる。油断なく、今後も周東を生かす展開に持ち込めるか。巨人に植え付けたその存在感が日本一への一つの鍵となる。 (西日本スポーツ評論家)

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