ソフトバンク和田が背番号21に込めた思い 悔しさに任せ、荒れたこともあった

西日本スポーツ 鎌田 真一郎

 ◆SMBC日本シリーズ2019第4戦 巨人3-4ソフトバンク(23日・東京ドーム)

 和田があらん限りの声を上げ、力強く拳を握った。3回2死一、二塁。打席には第3戦まで無安打の丸を迎えた。「試合のキーポイント。絶対点を与えたくなかった」。2ボール2ストライクからの5球目、143キロを外角いっぱいに決め見逃し三振を奪うと、巨人ファンに大きなため息をつかせた。鬼気迫るベテランの姿はチームにも伝わる。直後に、巨人エースの菅野から、グラシアルが3ラン。5回1安打無失点に抑えた左腕に、史上最長ブランクの16年ぶりのシリーズ星が舞い込んだ。

 「16年勝ってなかったのも不思議だけど、日本一が決まる試合で投げられて幸せです」

 1年目だった2003年に阪神との頂上決戦で第7戦に先発。新人では史上初の完投勝利で胴上げ投手になった。その時と背負う番号は同じ21のまま。込められた思いは、21世紀のエースになること。そして「六大学の大先輩である杉浦忠さんの番号だから」。立大からホークスに進み、1959年の巨人との日本シリーズ4連投4連勝し日本一に導いた伝説の大エース。その遺志を継ぐような、3連勝で迎えた第4戦での快投だった。

 日米通算135勝を挙げた左腕は、16年もの間に酸いも甘いも経験した。2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、大会直前の合宿まで参加しながら、最終選考でメンバーから漏れた。悔しさに任せ、荒れたこともあった。ただ、原監督が指揮のもと日本代表が世界一になると「これでよかったんだ」と心が晴れた。

 阿部も含め、当時のメンバーも半数余りが現役を退いている。その中で左肩の故障から復活した38歳のベテランが、当時の指揮官を目の前にして大仕事をやってのけた。 (鎌田真一郎)

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