中田賢一が別れ聞いた場所 ロッカー空にし同僚思う

西日本スポーツ

■無償トレード

 福岡ソフトバンクの中田賢一投手(37)の阪神への無償トレードが成立し、26日、両球団から発表された。北九大からドラフト2巡目で中日入りし、国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンク入り。同学年の摂津正氏(37)らと過渡期のチームを支えた通算100勝のベテランが、球団初の3年連続日本一の直後に、地元福岡を離れて新たな環境に身を置くことになった。福岡県筑後市のファーム施設での練習を終え、近日中に阪神入団会見に臨む。

■昨年通算100勝

 球団からのトレード成立の連絡を、中田は筑後のファーム施設で聞いた。みやざきフェニックス・リーグでの登板は既に終えており練習中。多くの荷物を片付け、慌ただしさの中で談話を発表した。「今年は1軍の力になれず申し訳ない」とわびた上で、在籍6年を「野球人生の中でもすごく幸せな日々」と回想。周囲への感謝を込め「強いホークスでプレーできたことを誇りに」と活躍を誓った。

 中日時代に「暴れ馬」とも評された球威自慢。FA宣言の際は補償不要の年俸Cランクで複数球団の争奪戦となり、阪神には背番号18も提示された。地元福岡を選んで移籍1年目の2014年から、スタンリッジと並びチーム最多の11勝。日本一になった11年のオフに和田、杉内、ホールトン、川崎が一斉に抜けたチームを、再び常勝の軌道に乗せた。

 ヤフオクドームで取材に応じた三笠杉彦ゼネラルマネジャーは「FAで来てもらって6年で5度の日本一。チームの今の状態をつくってくれた立役者の一人」と感謝した。昨季で通算100勝も、世代交代の波の中で今季の1軍登板は1試合。2軍で防御率、勝率の2冠も日本シリーズ出場40人枠から外れた。中田の意欲、取り巻く事情に阪神のニーズがかみ合った。

■「虎キラー」の異名

 結婚5年。長男が2歳。物心つく頃に戦う父を見せたい思いもある。ソフトバンクでの心残りの一つが「日本シリーズで勝てていない」。2度先発し、14年は阪神との第4戦で3回2失点で降板。チームは中村晃のサヨナラ3ランで王手をかけ、第5戦で日本一となった。15年はヤクルト山田哲に2打席連発された。

 プロ1年目の初勝利、4年目の初完封も阪神戦で、中日時代は「虎キラー」の異名もあった。「迎え入れていただく阪神タイガースさんで力を尽くすため、新たなスタートを切りたい」。ホークスで到達した1500投球回も甲子園の阪神戦。数奇な縁に導かれた。

 昨季限りで引退した盟友・摂津氏と変わらず食卓を囲み、投手談議を交わした。よき理解者にトレードを伝えると「『本当に応援している』と言ってくれた」。内川も同い年。「今年1試合しか投げられなかったけど、横っ跳びでファインプレーしてくれた」と目に焼き付いた。同僚たちへ。「離れるのは寂しいけど、また元気な姿を見せたい。心底思います」。空っぽのロッカーが胸中を映した。

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