阪神移籍決まった中田、食堂スタッフ一人一人にあいさつ「スーツじゃなくすみません」

西日本スポーツ 森 淳

 福岡ソフトバンクの中田賢一投手(37)の阪神への無償トレードが成立し、26日、両球団から発表された。北九大からドラフト2巡目で中日入りし、国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンク入り。同学年の摂津正氏(37)らと過渡期のチームを支えた通算100勝のベテランが、球団初の3年連続日本一の直後に、地元福岡を離れて新たな環境に身を置くことになった。中田投手を取材していた記者のメモ帳をひもとくと…。

 昨オフ、中田は揺れていた。FA権を再取得。先発として任されるイニングが減ってもいた。行使を真剣に考えたが、思いとどまり大減俸で残留した。「ずっと野球に真っすぐ向き合ってきた。僕の中で何か『逃げ』じゃないかと。強いホークスで勝負したい」。思いとは別に、宣言なら動いた球団もあったと聞く。

 現実は厳しかった。それでも久保2軍投手コーチらの助言のもとフォームと鍛錬を突き詰め、37歳で2軍の規定投球回に達した。「上で投げさせたいと思わせる姿を見せられなかった。そこは受け止めてます」。焼ける夏の風が涼やかになる頃、釈明せずに言った。

 トレード発表後。関係者の話を聞いていると、連絡を受けた中田が周囲へのあいさつでファーム施設内を駆け回った姿が浮かび上がってくる。食堂の女性スタッフにも一人一人声を掛け「スーツじゃなくてすいません」と練習着をわびたらしい。宮崎で試合中の2軍の面々に、連絡が遅くなる心苦しさも口にしていたという。「頑張ってほしい」の言葉が誰しもの口を突いた。 (遊軍・森 淳)

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